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有給休暇は、労働者の権利として守られるべきものであり、事業者は十分な配慮が必要です。しかし、放課後等デイサービス(放デイ)のように人員配置基準が定められている場合、「有給休暇を取得すると、人員配置基準を満たせないのでは?」と不安に思う事業者もいるでしょう。

そこで今回は、放デイの職員が有給休暇を取得した場合における人員配置基準の扱い方について紹介します。

【基礎知識】放課後等デイサービスの人員配置基準

定員10名の放デイで満たす必要がある人員配置基準は、次のとおりです。

 

  重度心身障がい児以外を通わせる場合 重度心身障がい児を通わせる場合
管理者 1人以上(原則、専従)
児童発達支援管理責任者(児発菅) 1人以上(専従かつ常勤) 1人以上
児童指導員

または保育士

①障がい児が10人以下:2人以上

②障がい児が10人超:

 ①に加え5人または端数が増すごとに1人加えた人数

 

 

いずれも1人以上は常勤

営業時間を通じて配置

1人以上

営業時間を通じて配置

看護職員 医療ケアを行う場合、その時間帯のみ配置 1人以上

営業時間を通じて配置

機能訓練担当職員 機能訓練を行う場合、その時間帯のみ配置 1人以上

機能訓練を行う時間帯のみ配置

 

このうち、常勤が要件になっているのは児発管と、児童指導員または保育士となっています。

放課後等デイサービスの職員が有給休暇を取得した場合の人員配置基準

結論から言うと、有給休暇を取得する職員が常勤の場合は、職種や加算の要件によっては人員配置基準の人数としてカウントできます。一方、非常勤職員が有給休暇を取得した場合は、人員配置基準の人数としてカウントできません。

ではどのような場合は人員配置基準を満たせるのか、基本報酬と加配加算、2つのパターンについて見ていきましょう。

基本報酬の場合

常勤の児発管が有給休暇を取得した場合、出勤したものとして勤務時間数をカウントできます。一方、児童指導員や保育士は「営業時間を通じて配置」という条件があるため、有給休暇を取得すると人員配置基準の人数としてカウントできません。

ただし、非常勤の児童指導員や保育士で常勤換算1.0人以上を満たせば問題ないとする自治体が多いようです。たとえば、非常勤職員の勤務時間が常勤職員の半分(=常勤換算で0.5人)だとすると、非常勤職員が2人配置されていればOKになります。

とはいえ、上記のような条件は自治体によって見解が分かれるため、有給休暇の取得時における人員配置の考え方はあらかじめ確認しておくとよいでしょう。

加配加算の場合

児童指導員等加配加算は、常勤換算で1.0人以上を加配することで取得できます。加配の常勤換算数を見るのは、1か月間の値です。そのため、1か月間の常勤換算さえ満たしていれば、加配の対象となる職員が有給休暇を取得あるいは欠勤した場合でも加算は算定できます。

ただし、こちらも基本報酬と同様に、自治体によって見解が分かれるところです。有給取得に伴う算定の可否については、あらかじめ確認しておきましょう。

まとめ

放デイの職員が有給休暇を取得した場合、人員配置基準を満たせるか否かは職員の勤務形態や自治体の判断によって異なります。開業や経営でお悩みの方は、放課後等デイサービスに強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。

 

参考文献

放課後等デイサービスガイドライン|厚生労働省

令和3年度障がい福祉サービス等報酬改定について|厚生労働省

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