新型コロナウイルス感染症の流行により、放課後等デイサービス(放デイ)は通常の運営が難しい状況が続いています。この状況に鑑み、厚生労働省から「代替的な支援(代替サービス)」の提供について通知されました。
今回は代替的な支援の内容や手段のほか、加算・減算の取扱いについて紹介します。
放デイの代替的な支援とは
放デイの代替的な支援とは、保護者から同意を得た上で電話などを使って支援を継続することです。具体的な支援内容や手段について、それぞれ見ていきましょう。
支援内容
代替的な支援は、おもに次の4つです。
- 利用者の健康管理
- 自宅で問題が起きていないかの確認
- 利用者やその家族との個別のやり取り
- 通常の通所に向けたサポートなど
なお、欠席連絡や単なるリモート支援の希望、保護者都合は対象外になります。また、後日行政庁より確認される場合があるため、代替サービスを提供した日は次のような内容を記録しておくことが大切です。
- 利用者名
- 支援を提供した日時
- 支援方法や内容
- 代替サービスを提供した理由 など
支援手段
代替サービスの手段は、基本的には電話や訪問など。メールやLINEなどは本人の声や表情などから思いをくみ取って相談支援することが困難なため、原則不可としています。
ただし、日中は祖父母に児童を預けて働いているなど、保護者による電話対応が難しい場合はメールなどでも対応可能です。
放デイの代替的な支援における加算や減算の取扱い
次に、代替サービス提供時の加算や減算の取扱いについて見ていきましょう。
基本報酬の取扱い
分散登校など通常とは異なる授業日の場合、基本報酬は次のような取扱いになります。
- 代替的サービスの提供日も基本報酬を適用する
- 利用開始時間が通常より早い場合、休業日の基本報酬を適用する
- 同日に利用開始時間前と後の児童がいる場合、休業日と授業日の基本報酬をそれぞれ適用する
加算の取扱い
代替サービス提供時にも算定できる加算は、おもに次の7つです。
- 家庭連携加算
- 事業所内相談支援加算
- 医療連携体制加算
- 保育・教育等移行支援加算
- 栄養士配置加算
- 特別支援加算
- 強度行動障がい児支援加算 など
また、職員の欠員などで算定要件を満たさない場合でも、利用者への支援に配慮した上で算定可能な加算は次の4つになります。
- 児童指導員等加配加算
- 看護職員加配加算
- 専門的支援加算
- 福祉専門職員配置等加算
減算の取扱い
次に挙げる3つの減算は、令和2年2月以降に新たに発生した場合にのみ適用されません。
- 個別支援計画未作成減算
- 開所時間減算
- 自己評価結果等未公表減算
なお、身体拘束廃止未実施減算は特例的な扱いはないため、規定通りの対応を進めましょう。
まとめ
放デイの代替サービスは、新型コロナウイルス感染症によって通常の運営や通所ができない場合に提供できます。運営や経営でお悩みの方は、放課後等デイサービスに強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献