就労継続支援B型の利用者はほとんどの場合、昼休憩をはさみながら作業を行います。この際、事業所側が食事を提供すると「食事提供体制加算」の算定が可能です。
そこで今回は就労継続支援B型の食事提供体制加算について、詳しい算定要件はもちろん、実際にどのくらいの事業所が食事を提供しているか紹介します。
就労継続支援B型の食事提供体制加算①算定要件
就労継続支援B型の食事提供体制加算は、利用者1人につき「30単位/日」算定できます。算定要件は、次のとおりです。
- 就労継続支援B型計画等で食事の提供に該当する利用者がいること
- 低所得者など一定の収入以下であることが明記された受給者証を持つ利用者がいる
- 栄養士の配置、または保健所による栄養や調理指導を受けている
- 調理員を配置している
また、調理方法にも次のような一定の基準が定められています。
- 調理員や委託業者が事業所内で調理し、提供している
- 事業所外で調理された場合、衛生上の適切な対策がされた上で運搬している
- 出前や市販の弁当、外食は加算対象外
就労継続支援B型の食事提供体制加算②算定状況
次の表は、食事提供体制加算の算定状況について厚生労働省が調査した結果です。調査期間は平成29年4月~平成30年3月までの1年間であり、それぞれの数値は月平均のデータを表しています。
事業所数 | 11,249か所 |
算定事業所数 | 6,078か所 |
利用者数 | 235,513人 |
算定済み事業所の利用者数 | 135,480人 |
算定済み事業所で
加算対象となる利用者数 |
115,317人 |
加算の回数(食事提供数) | 1,858,501回 |
この表によると、食事提供体制加算を算定している就労継続支援B型は「約54.0%」と全体の半数です。また、算定済事業所で加算対象となる利用者数は約85.1%であり、就労継続支援B型における食事提供率の高さがよくわかります。
昼食の提供に限った調査では、約7割の事業所が食事を提供。残りの3割の事業所では、利用者が弁当を持参したり、パンやインスタント食品などを購入したりする方が多いようです。
なお、同調査によると、食事を提供している就労継続支援B型では次の3つを最も重視していることがわかっています。
- 利用者の健康を考えた栄養バランス
- 楽しく食事ができる環境や雰囲気作り
- 食事の見栄え(色・盛り付け方など)や食べやすさ(食材の大きさ・硬さなど)
これから就労継続支援B型を開業する方は、これらの調査結果をぜひ参考にしてみてください。
まとめ
就労継続支援B型における食事提供体制加算は、利用者の食費負担を軽減することが主な目的です。直接的な収益にはなりませんが、利用満足度が上がり、利用者の確保や定着に繋がるでしょう。加算の算定についてお悩みの方は、就労継続支援B型に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献