障がい者グループホームを運営していると、必ず訪れるのが「実地指導」。実地指導はおおよそ3年に1回あり、運営状況について確認されます。人員基準などを満たしていない場合は、減算されることも。
そこで今回は障がい者グループホームの実地指導について、減算されないための注意点や減算例を紹介します。
障がい者グループホームの実地指導で注意すべき点
障がい者グループホームの実地指導は、実施の数週間から1ヶ月前には通知が届くことが多いです。実地指導までに、次の5つについて確認しておきましょう。
①減算に直結するものから確認しよう
実地指導で何らかの不備が発覚し、減算となると、障がい者グループホームの収入が減ることになります。特に、減算率が大幅に変更なっている項目には注意が必要。
例えば、個別支援計画未作成の減算率は以前「5%」でしたが、現在は「50~70%」と10倍以上になっています(減算適用月~2か月目まで70%、3か月以上50%)。実地指導が3年に1回の場合、3年分の収益が減算されると考えると、相当な額になることは容易に想像できるでしょう。次に挙げる人員基準も含め、減算に直結する項目については早めに確認することはもちろん、普段から定期的にチェックしておくと安心です。
②人員基準を満たしているか確認しよう
障がい者グループホームの実地指導で、指摘されることが多いのが「人員基準」。特に、サービス管理責任者(以下、サビ管)の資格要件や人数、世話人・生活支援員の配置数については注意が必要です。
確認される書類はタイムカードや勤務体制一覧表、実績表(平均利用人数が分かる書類)など。サビ管については資格証、研修修了証も確認されます。開業時同様、人員基準は定期的に確認しておきましょう。
③個別支援計画を厳しくチェックしよう
障がい者グループホームの実地指導では、個別支援計画に関する減算例が増えてきています。「アセスメント→モニタリング→計画原案→個別支援会議→本計画完成」という一連の流れに不備があると、減算対象となるのです。
例えば、「サビ管以外の名前で計画を作成している」「6カ月ごとのモニタリングを行えていない」「利用者やその家族からの承認印をもらっていない」など。このうち、複数の理由が当てはまると減算対象になるため、不備がないか定期的にチェックしてみてください。
④事前に管轄の自治体へ確認しよう
障がい者グループホームの運営に関して、最終的な判断を下すのは行政です。しかし、自治体によって判断が微妙に異なるのも事実。
そのため、実地指導にかかわらず、運営に関して不明な点がある場合は、自治体へ事前に確認するようにしましょう。また、自治体の判断基準となっている各種法令についても、理解しておくことが大切です。
⑤事業者等自己点検シートを活用しよう
自治体ホームページなどには、実地指導を受ける障がい者グループホーム向けに「事業者等自己点検シート」を掲載しています。実地指導に向けて、人員や設備などの各種基準や個別支援計画などについて総合的に点検する際に活用してみてください。
まとめ
障がい者グループホームの実地指導で減算されないためには、普段から定期的に各種基準や書類について確認しておくことが大切です。実地指導について不明な点がある方は、障がい者グループホームに強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献