重度訪問介護の基本報酬は、令和6年度の報酬改定で微増しました。また、対象範囲の広がりなどもあり、今後は同事業全体で平均収益が上がる可能性があります。
そこで今回は重度訪問介護の基本報酬について、報酬単価一覧や計算シミュレーションを紹介します。
重度訪問介護の基本報酬
報酬単価や報酬額シミュレーションについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
報酬単価一覧
基本報酬は、下表のとおりです。
イ
ロ以外の障がい者に提供した場合※1 |
ロ
病院などに入院 または入所中の障がい者に提供した場合※2 |
|
1時間未満 | 186単位 | |
1時間以上1時間30分未満 | 277単位 | |
1時間30分以上2時間未満 | 369単位 | |
2時間以上2時間30分未満 | 461単位 | |
2時間30分以上3時間未満 | 553単位 | |
3時間以上3時間30分未満 | 644単位 | |
3時間30分以上4時間未満 | 736単位 | |
4時間以上8時間未満 | 821単位
30分増すごとに+85単位 |
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8時間以上12時間未満 | 1,505単位
30分増す毎に+85単位 |
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12時間以上16時間未満 | 2,184単位
30分増すごとに+81単位 |
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16時間以上20時間未満 | 2,834単位
30分増すごとに+86単位 |
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20時間以上24時間未満 | 3,520単位
30分増すごとに+80単位 |
※1 喀痰吸引等支援体制加算の算定が可能(1人1日あたり100単位)
※2 90日以上利用減算あり(減算率20%=基本報酬×80%)
表からもわかるように、報酬区分は長い支援時間を想定したものとなっています。また、入院中・入所中の方に対する支援では、期間が長くなると減算が適用されうる点に注意しましょう。
なお、入院中の対象者は従来、障がい支援区分6の方のみでした。しかし、令和6年度の報酬改定で障がい支援区分4以上となっています。今後は報酬区分イだけではなく、報酬区分ロを算定する機会が増えてくるでしょう。
報酬額シミュレーション
厚生労働省によると重度訪問介護の利用者では、ひと月あたりの利用時間が150時間以上となるケースが約半数を占めるとのことです。そこで、以下の条件を満たす利用者の報酬額がいくらになるか、実際に計算してみましょう。
- 1回あたりの利用時間:8時間
- ひと月あたりの利用回数:20回
- 障がい支援区分6に該当(=8.5%加算対象者)
【基本報酬】
報酬単価×回数×地域区分(10円)
=1,505単位×20回×10円 =301,000円 |
【上乗せ金額】
基本報酬×8.5%
=301,000円×0.085 =25,585円 |
【基本報酬の合計】
基本報酬₊上乗せ金額
=301,000円₊25,585円 =326,585円 |
なお、重度障がい者等が該当する「15%加算対象者」の場合は、上乗せ金額が上記の2倍となります。
まとめ
重度訪問介護の基本報酬は、対象者の障がい支援区分や所在によっても変わります。経営や加算の算定でお悩みの方は、重度訪問介護に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献