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就労継続支援A型・B型は、就労に必要なスキルの習得などを支援する障がい福祉サービスです。新規参入する事業者が多い一方で、運営ノウハウの不足により経営難に陥る事業所も少なくありません。中には不正請求などによって、指定取り消しとなるケースもあります。

そこで今回は就労継続支援における指定取り消しの状況や適用となる主な理由のほか、具体的なケースを紹介します。

就労継続支援における指定取り消し等の状況

厚生労働省によると、令和元年度には144の事業所が指定の取り消しや効力の停止処分となりました。このうち、就労継続支援A型・B型の指定取り消し等の状況は、下表のとおりです。

指定取り消し 効力の停止処分
就労継続支援A型 9か所 2か所
就労継続支援B型 2か所 7か所

就労継続支援A型は指定取り消し、就労継続支援B型は効力の停止処分が多い結果となっています。

なお、令和6年度の報酬改定では、A型・B型ともに報酬体系の組み直しが行われました。意図せぬ不正が発生しないよう、事業者は常に最新情報の収集と適用に注意を払う必要があります。

就労継続支援の指定が取り消しとなる主な理由

就労継続支援の指定が取り消しとなる主な理由は、以下のとおりです。

  • 各基準の違反(人員・設備・運営)
  • 訓練等給付費の請求に関する不正
  • 虚偽の報告や答弁
  • 不正の手段による指定
  • 障がい福祉サービスに関する不正または著しく不当な行為 など

とくに多いのが、「運営基準違反」や「請求に関する不正」、「虚偽の報告」となっています。

就労継続支援で指定取り消しとなった具体例

就労継続支援で指定取り消しとなった具体例について、大阪府の事業所を例に見ていきましょう。

運営基準違反 ・管理者が従業者や業務の一元的管理を行っていなかった

・サービス管理責任者(サビ管)が個別支援計画の作成やモニタリングなど必要な業務を行っていなかった

・サービス提供内容について適切に記録されていなかった

訓練等給付費の請求に関する不正 ・サビ管を配置していない、あるいは個別支援計画を作成していないのに不正に請求した

・サービスや食事の提供をしていないのに請求した

・施設外就労の要件を満たしていないのに請求した

虚偽の報告 ・監査時の立ち入り検査時、事業所の実態について虚偽の報告を行った

・サビ管について虚偽の変更届を提出した

・サビ管や従業者の勤務実態について、実情と異なる内容を報告した

上記のような不正は、たとえ指定取り消しにまでいたらないとしても、利用者や地域住民からの信頼を著しく落とす行為です。その後の運営に大きく影響し、最悪の場合は廃業となる可能性もあります。

就労継続支援の運営では誠実かつ正確に対応するのはもちろん、必要に応じて税理士や行政書士などプロへ相談しながら進めましょう。

 

まとめ

就労継続支援で指定取り消しとなる主な理由としては、運営基準違反や不正請求などが挙げられます。開業や経営でお悩みの方は、就労継続支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。

参考文献

厚生労働省|就労継続支援に係る報酬・基準について≪論点等≫

厚生労働省|障害保健福祉関係主管課長会議資料

大阪府|指定取消し事業者一覧

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