重度訪問介護の従業者(ホームヘルパー)はサ責と同様に、資格が必要な人員です。ただし、教育機関での勉学や試験の合格は必須ではなく、所定の研修を修了することでも資格要件を満たせます。その1つが、重度訪問介護従業者養成研修です。
そこで今回は同研修の課程や費用のほか、修了するメリットについて紹介します。
重度訪問介護従業者養成研修とは
同研修の基礎知識として、課程の種類と費用について見ていきましょう。
課程の種類
同研修には、下表に挙げる4つの課程があります。
課程の種類 | 概要 |
基礎課程 | 障がい支援区分4~5の利用者を支援する知識と技術の習得 |
追加課程 | 障がい支援区分6の利用者を支援する知識と技術の習得 |
統合課程 | 基礎研修+追加研修+第3号研修※1 |
行動障がい支援課程 | 行動障がいに対する専門的な支援スキルの習得※2 |
※1 喀痰吸引や経管栄養など医療的ケアについて学べる(別途、実地研修が必要)
※2 修了すると強度行動障がい支援者養成研修の修了者としてもみなされる
研修は全国各地で開催されており、統合課程であっても最短3日で修了できます。なお、厚生労働省によると、重度訪問介護の利用者は約8割が障がい支援区分6です。そのため、追加課程までの修了はほぼ必須といえます。
喀痰吸引等のニーズも踏まえると、初めから統合課程を受けたほうが効率的に学べるでしょう。
費用
同研修の費用は1課程あたり1万5,000円〜2万円がほとんどであり、統合課程は3万円程度が相場です。事業所によってはキャリアアップ支援の一環として、研修費用を助成するところも少なくありません。
重度訪問介護従業者養成研修を修了するメリット
同研修を修了するメリットは、以下の3つです。
- 8.5%加算・15%加算を算定できる
- 支援できる利用者の幅が広がる
- 支援の質が上がる
8.5%加算は障がい支援区分6の方、15%加算は四肢麻痺や強度行動障がいがある方を支援した場合に算定できます。前者は追加課程や統合課程、後者は行動障がい支援課程を修了することで対応可能です。
また、同研修は支援できる利用者の幅を広げると同時に、スキルアップによって利用満足度の向上が期待できます。加算の算定と集客率の改善によって、収益アップにもつながるでしょう。
まとめ
重度訪問介護従業者養成研修は、同事業で働くうえで修了しておきたい研修の1つです。開業準備や人員確保でお悩みの方は、重度訪問介護に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献