障がい福祉サービスの報酬は国から支払われますが、毎月請求の手続きが必要です。しかし、時には請求情報に誤りがあり、報酬額の調整が必要になるケースもあります。そのようなときに行うのが、過誤申請です。
そこで今回は過誤申請とは何か基礎知識に触れながら、申請例や注意点を紹介します。
障がい福祉サービスの過誤申請とは
障がい福祉サービスの過誤申請とは、報酬を国へ請求する際に何らかの誤りが発覚した際に行う対応です。
過誤申立とも呼ばれ、報酬の請求を一旦取り下げたうえで、正しい情報を送信・再請求する手続きになります。おおまかな流れは、以下のとおりです。
- サービス提供事業者が自治体へ、過誤申立書を提出(毎月月末まで)
- 自治体の障がい支援が国保連へ、過誤処理を依頼
- サービス提供事業者が国保連へ、訂正した内容で再請求(翌月10日まで)
- 国保連がサービス提供事業者や自治体へ、過誤処理結果を通知
国保連は翌月分の報酬から、過誤申立によって取り下げる金額を差し引きます。
障がい福祉サービスにおける過誤申請の例
たとえば、以下のような状況があった場合、国保連から入金される報酬額を計算してみましょう。
- 8月請求分:10万円
- 過誤対象者:7月分1名
- 過誤金額:3万円
- 再請求金額:2万円
入金される金額
=通常請求分₊再請求分-過誤分
=10万円+2万円-3万円
=9万円
つまり、この場合は7月分の過誤が8月分で調整され、翌9月に9万円が振り込まれることになります。
障がい福祉サービスにおける過誤申請の注意点
過誤申請をする際の注意点は、以下のとおりです。
- 請求誤りが1日分だけでも、当該利用者の当月全体が取り下げとなる
- 申立書がない状態で再請求すると、重複請求として返戻される
- 取り下げ金額が大きいときは、過誤申立書の提出月を分割する必要がある
また、昨今のペーパーレス化により、過誤申立書の提出も電子化している自治体が増えてきています。たとえば、大阪市では令和5年1月分を最後に郵送・窓口での受付は終了し、オンラインシステムでの電子申請のみとなりました。
郵送・窓口での対応も残っているところもあるため、事業所の所在地がある自治体へあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
まとめ
障がい福祉サービスの過誤申請は、報酬を確実に得るという点だけではなく、意図せぬ不正受給を防ぐ意味でも重要な手続きです。開業準備や経営でお悩みの方は、「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献