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居宅介護の利用者は年々増加しており、喀痰吸引等を必要とする重度障がい者や医療的ケア児も多くなってきています。喀痰吸引等は本来医療行為ですが、近年では所定の条件を満たした支援者も実施できるようになりました。

その際、算定できるのが喀痰吸引等支援体制加算です。今回は同加算の算定要件や報酬単価のほか、算定時の注意点も紹介します。

居宅介護の喀痰吸引等支援体制加算とは

同加算の算定要件と報酬単価は、それぞれ以下のとおりです。

算定要件

同加算は、喀痰吸引等が必要な方に対して当該支援を行った場合に算定できます。具体的には、登録特定行為事業者の認定特定行為業務従事者が、医療機関と連携して喀痰吸引等を実施すると算定可能です。

意味
登録特定行為事業者 都道府県知事に申請し、喀痰吸引等の実施について登録を受けた事業所
認定特定行為業務従事者 都道府県が登録した研修期間で、所定の研修を修了し、認定証が交付された者

なお、喀痰吸引等とは以下に挙げる行為を指します。

  • 口腔内の喀痰吸引
  • 鼻腔内の喀痰吸引
  • 気管カニューレ内の喀痰吸引
  • 経鼻経管栄養
  • 胃ろうや腸ろうによる経管栄養

研修の情報は各都道府県のホームページに掲載されており、場所によっては経費の助成制度も設けられているため、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。

報酬単価

同加算の報酬単価は、1人1日あたり100単位です。たとえば、対象者が10人、週に3回対応した場合、ひと月あたりの報酬額は以下のように算出できます。

報酬単価×人数×回数×地域区分(10円)

=100単位×10人×3回×10円

=30,000円

居宅介護で喀痰吸引等支援体制加算を算定する際の注意点

同加算は、特定事業所加算(Ⅰ)を算定している場合、併用算定はできません。なお、特定事業所加算は(Ⅰ)~(Ⅳ)までありますが、(Ⅱ)以外は喀痰吸引等を必要とする障がい者などへの支援が算定要件の1つとなっています。

要件 (Ⅰ) (Ⅱ) (Ⅲ) (Ⅳ)
①サービス提供体制の整備

新任者同行研修の実施や定期的な情報伝達等

②良質な人材の確保

介護福祉士の割合が30%以上等

③重度障がい者への対応

区分5以上や、喀痰吸引などを必要とする障がい者・重症心身障がい児・医療的ケア児が30%以上

④中重度障がい者への対応

区分4以上や、喀痰吸引などを必要とする障がい者・重症心身障がい児・医療的ケア児が50%以上

中重度障がい者等の地域移行が進んでいるため、喀痰吸引等を行える事業所はますます需要が増えていくでしょう。

 

まとめ

居宅介護の喀痰吸引等支援体制加算を算定するためには、当該行為ができる従業者の育成体制も重要になってきます。開業準備や運営でお悩みの方は、居宅介護に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。

参考文献

厚生労働省|居宅介護に係る報酬・基準について≪論点等≫

厚生労働省|令和6年度障がい福祉サービス等報酬改定について

 

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