居宅介護事業所は、通所・入所サービスに比較すると小規模でも事業は可能です。しかし、従業者に給料を支払うためには、現状の把握と相応の運営ノウハウが必要になります。
そこで今回は居宅介護における最新の平均給料とともに、給与を上げるために事業所が取り組むべき事項を紹介します。
居宅介護の平均給料はどれくらい?
経営実態調査によると、居宅介護に配置される人員の平均給料(月給)は下表のとおりです。
常勤 | 非常勤 | |
施設長・管理者 | 33.2万円 | 14.3万円 |
サービス提供責任者(サ責) | 27.6万円 | 19.0万円 |
従業者(ホームヘルパー) | 22.7万円 | 7.9万円 |
職種別では全体平均と同様の傾向で、「管理者>サ責>従業者」となっています。また、非常勤の給料は常勤の半額以下となっている職種が多いなかで、サ責は比較的差が少ないのが現状です。
居宅介護と他訪問サービスの給料を比較
同じ職種(常勤)を配置する訪問サービスと平均給料を比較すると、下表のとおりです。
施設長・管理者 | サ責 | 従業者 | |
居宅介護 | 33.2万円 | 27.6万円 | 22.7万円 |
重度訪問介護 | 31.9万円 | 28.0万円 | 22.9万円 |
同行援護 | 35.2万円 | 28.3万円 | 22.1万円 |
行動援護 | 36.9万円 | 29.9万円 | 22.4万円 |
サ責と従業者の給料はほぼ横並びですが、管理者は同行援護や行動援護が頭1つ抜けて高くなっています。
居宅介護の給料を上げる方法
居宅介護の給料を上げたい事業所は、以下の3つに取り組めているか現状を振り返りましょう。
- 人員配置の見直し
- 各種加算の積極的な算定
- 資格取得などスキルアップ支援体制の構築 など
常勤の従業者のみを配置すると、人件費が高騰しかねません。適宜非常勤の従業者も配置し、人員確保と人件費の削減を並行することが大切です。
また、加算を算定できれば、その分収益が増え、給料にも反映しやすくなります。逆に、減算によって収益が減らないよう、資格取得の支援も重要です。具体的には、以下の資格は基本報酬が10~30%減算されます。
- 旧3級ヘルパー(廃止前の居宅介護従事者養成研修)
- 居宅介護等事業従事者経験者
- 視覚障がい者外出介護研修修了者等※
※通院等介助と通院等乗降介助のみ従事可能
減算が適用されないよう、採用時にも介護福祉士などの資格保有を確認しましょう。
まとめ
居宅介護の給料を上げるためには、多方面での工夫が必要です。開業準備や経営でお悩みの方は、居宅介護に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献