令和6年度に行われた報酬改定の中でも、生活介護はもっとも見直し事項が多かった障がい福祉サービスです。そこで今回は生活介護をピックアップし、報酬改定で見直された事項を紹介します。
生活介護の報酬改定で見直された内容
生活介護の報酬改定で見直された事項は、大きく分けると以下の4つです。
※福祉・介護職員等処遇改善加算など、サービス間で共通する見直し事項は省略しております
基本報酬の単位数
基本報酬は利用定員規模が細分化されたうえ、サービス提供時間別の評価に見直されました。たとえば、20人前後の基本報酬は、下表のように変化しています。
【報酬改定前】
区分6 | 区分5 | 区分4 | 区分3 | 区分2以下 | |
定員20人以下 | 1,288単位 | 964単位 | 669単位 | 599単位 | 546単位 |
【報酬改定後】定員11人以上20人以下の場合
区分6 | 区分5 | 区分4 | 区分3 | 区分2以下 | |
3時間未満 | 517単位 | 386単位 | 268単位 | 239単位 | 218単位 |
3時間以上
4時間未満 |
646単位 | 483単位 | 335単位 | 300単位 | 273単位 |
4時間以上
5時間未満 |
774単位 | 578単位 | 401単位 | 358単位 | 327単位 |
5時間以上
6時間未満 |
904単位 | 676単位 | 469単位 | 419単位 | 381単位 |
6時間以上
7時間未満 |
1,258単位 | 941単位 | 652単位 | 583単位 | 532単位 |
7時間以上
8時間未満 |
1,291単位 | 966単位 | 669単位 | 598単位 | 545単位 |
8時間以上
9時間未満 |
1,353単位 | 1,027単位 | 730単位 | 660単位 | 607単位 |
延長支援加算の報酬区分
基本報酬の改定にともない、報酬区分が下表のように変更されています。
所要時間(=営業時間+延長時間) | 報酬単価 |
9時間以上10時間未満 | 100単位/日 |
10時間以上11時間未満 | 200単位/日 |
11時間以上12時間未満 | 300単位/日 |
12時間以上 | 400単位/日 |
人員体制の拡充に対する評価
看護職員の配置人数などを評価する加算について、報酬区分や報酬単価が見直されました。
【常勤看護職員等配置加算】
報酬区分 | 報酬単価 | |
見直し前 | ・(Ⅰ)~(Ⅲ)
・定員規模の分け方は20人以下~81人以上、区切りは20人ずつ |
6~84単位 |
見直し後 | ・区分なし
・定員規模の分け方は基本報酬と同じ、5人以下~81人以上 |
6~32単位×看護職員の常勤人数 |
【人員配置体制加算】
報酬区分 | 報酬単価 | |
見直し前 | ・(Ⅰ)~(Ⅲ)
・定員規模の分け方は20人以下~61人以上、区切りは20人ずつ |
33~265単位 |
見直し後 | ・(Ⅰ)~(Ⅳ)
・新たに「1.5:1」の(Ⅰ)が追加 ・定員規模の分け方は同上 |
33~321単位 |
加算の新設
令和6年度の報酬改定では、下表に挙げる4つの加算が新設されました。
算定要件の概要 | 報酬単価 | |
入浴支援加算 | 医療的ケアが必要な方や重症心身障がい者に対して入浴支援を提供 | 80単位/日 |
喀痰吸引等実施加算 | 医療的ケアが必要な方などへ、喀痰吸引や経管栄養を実施 | 30単位/日 |
栄養スクリーニング加算 | 利用者の栄養状態を確認し、相談支援専門員へ情報提供 | 5単位/回 |
栄養改善加算 | 低栄養や過栄養状態にある、あるいはそのリスクがある利用者に対して、状態改善に向けた栄養管理を実施 | 200単位/回 |
まとめ
生活介護の報酬改定では、多方面で大幅な見直しがありました。加算の算定や経営でお悩みの方は、生活介護に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献