地域移行が加速している近年でも、施設入所支援の需要は依然として多くあります。24時間365日の支援体制がある分、加算も多岐にわたるため、報酬改定があると情報収集に苦慮する方も多いでしょう。
そこで今回は施設入所支援をピックアップし、報酬改定で見直された事項を紹介します。
施設入所支援の報酬改定で見直された事項
施設入所支援の報酬改定で見直された事項は、大きく分けると以下の4つです。
※福祉・介護職員等処遇改善加算など、サービス間で共通する見直し事項は省略しております
基本報酬の単位数
基本報酬は定員規模が細分化され、単価は全体的に微増しました。
区分6 | 区分5 | 区分4 | 区分3 | 区分2以下※ | |
40人以下 | 463単位 | 392単位 | 316単位 | 239単位 | 174単位 |
41人以上
50人以下362単位 |
362単位 | 303単位 | 240単位 | 189単位 | 150単位 |
51人以上
60人以下 |
355単位 | 297単位 | 235単位 | 185単位 | 147単位 |
61人以上
70人以下 |
301単位 | 252単位 | 202単位 | 166単位 | 137単位 |
71人以上
80人以下 |
295単位 | 247単位 | 198単位 | 163単位 | 133単位 |
81人以上 | 273単位 | 225単位 | 181単位 | 150単位 | 129単位 |
※未判定者も含む
地域移行の取り組みに関する評価
地域移行を推進するために、地域移行等意向確認体制未整備減算が新設されました。担当者の選任やマニュアルの作成などは令和8年4月1日から義務化され、整備されていない場合は利用者全員について5単位/日の減算となります。
また、従来より設置されていた地域移行促進加算に(Ⅱ)が追加されました。通所サービスやグループホームなどの見学など、地域移行に向けた支援がなされた場合に60単位/日(3回/月が限度)を算定できます。
さらに、地域移行の実績を評価する加算として、地域移行支援体制加算も新設されました。前年度に退所し、地域生活を6か月以上継続している方が1人以上いる場合、定員規模別・区分別に2〜15単位/日を算定できます。
夜間の支援体制に関する評価
夜間の支援体制にかかわる加算については、下表のような変更が加えられました。
変更点 | |
夜間看護体制加算 | 看護職員をさらに配置した場合、従来の60単位に加え、35単位×配置人数を算定可能 |
夜勤職員配置体制加算 | 必要な夜勤人数を-0.1人ずつ減らし、算定要件を緩和 |
通院支援に関する評価
利用者の通院頻度が増加傾向にあることを受けて、通院支援加算が新設されました。同加算の報酬単価は17単位/回であり、ひと月あたり2回まで算定できます。
まとめ
施設入所支援の報酬改定では、地域移行を中心としてさまざまな見直しがかけられました。加算の算定や経営でお悩みの方は、施設入所支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献