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生活介護を利用する方の年齢や障がいは多岐にわたり、中には栄養状態が不良で支援が必要な方もいます。そこで令和6年度の報酬改定で、栄養面の支援に取り組んだ事業所を評価する加算が2つ新設されました。

そこで今回は生活介護における栄養士の必要性を踏まえながら、関連加算の算定要件や報酬単価などを紹介します。

生活介護に栄養士の配置は必要?

結論から言うと、生活介護の指定基準に栄養士は記載されておらず、配置は必須ではありません。

ただし、事業所内に配置するか、保健所など外部の栄養士と連携することで、後述の加算を算定できる可能性が高まります。支援の質を高めながら収益を確保する意味では、栄養士の配置は決して無駄にはならないといえるでしょう。

【令和6年度】生活介護に新設された栄養関連の加算

令和6年度の報酬改定で新設された栄養関連の加算は、下表の2つです。

 

栄養スクリーニング加算 栄養改善加算
対象者 利用者全員 低栄養や過栄養状態にある、またはそのおそれがある利用者
報酬単価 5単位/回 200単位/回
算定回数の上限 6か月に1回 月2回

 

それぞれの算定要件を詳しく見ていきましょう。

栄養スクリーニング加算

同加算の算定要件は、以下のとおりです。

 

  • 利用開始と、利用中6か月ごとに栄養状態を確認する
  • 栄養状態の情報を担当の相談支援専門員へ提供する

 

そもそも、栄養スクリーニングとは、低栄養など栄養面でのリスクを迅速かつ簡単に抽出できる評価方法です。

とくに重度障がい者は自力での摂食や運動が難しい分、栄養状態が悪くなりやすい傾向にあります。定期的な栄養スクリーニングを実施できれば、健康状態の悪化を早期に防ぐ、あるいは軽減させられる可能性も出てきます。

区分5~6の重度障がい者が多くなっている生活介護こそ、取り入れていくべき加算といえるでしょう。

栄養改善加算

同加算の算定要件は、以下のとおりです。

 

  • 以下のすべてに該当する事業所である
    • 事業所内あるいは外部連携によって管理栄養士を1名以上配置している
    • 栄養状態を把握し、食形態にも配慮hした栄養ケア計画を策定している
    • 利用者の栄養状態を定期的に記録している
    • 栄養ケア計画の進捗状況を定期的に評価している
  • 利用者の栄養状態改善に向けて、個別の栄養食事相談などを行っている
  • 上記の取り組みが、利用者の心身状態の維持や向上に寄与している

 

なお、対象者の栄養状態は3か月ごとに評価し、改善が見られた場合は終了、引き続き支援が必要な場合は継続して算定できます。

 

まとめ

生活介護の利用者は重度障がいにより低栄養ぎみであったり、自宅生活ゆえに暴飲暴食がたたって過栄養となったりするケースが少なくありません。生活介護における栄養状態の把握と支援は、今後ますます重要性が増していくでしょう。

人員配置や加算の算定でお悩みの方は、生活介護に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。

 

参考文献

厚生労働省|生活介護に係る報酬・基準について≪論点等≫

厚生労働省|自己点検チェックのための生活介護事業ガイドライン案

厚生労働省|令和6年度障がい福祉サービス等報酬改定について

 

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