生活介護をはじめとする障がい福祉サービスには、所得に応じて利用料の負担上限額が定められています。その上限額を超過する場合に行うのが、上限額管理です。
しかし、馴染みがない方からすると、「どのような方が対象になるのか」「誰が管理するのか」などの疑問もあるでしょう。そこで今回は生活介護の上限額管理について、対象者などの基礎知識はもちろん、対応した場合に算定できる加算も紹介します。
生活介護でも発生しうる上限額管理とは
まずは、上限額管理の基礎知識として以下の3つを見ていきましょう。
- 対象者
- 上限額管理者
- 管理事務の流れ
対象者
上限額管理の対象者は、負担上限月額を超過する可能性があると市町村が認定した方です。対象者は、障がい福祉サービス受給者証の所定欄に該当する旨と、管理事業所名が記載されます。
上限額管理者
上限額管理を行う事業所は、以下を総合的に踏まえたうえで決定されます。
- サービスの提供量
- 利用者との関係性
- サビ管の配置有無
- 事務処理体制 など
たとえば、生活介護を12日/月、短期入所を3日/月利用する方の場合は、生活介護事業所が上限額管理を行います。
管理事務の流れ
上限額管理に関連する事務の流れは、下表のとおりです。
関係事業者 | 管理事業者 | 国保連 |
①利用者負担額一覧表を提出 | — | — |
— | ②①を受領し、上限額管理票を作成 | |
③②を受領し、請求情報を作成 | ③請求情報を作成 | |
④請求情報を送信 | ④請求情報を送信 | |
⑤請求情報を受信 |
具体的な書式や書き方は、各都道府県のホームページで確認しましょう(大阪市の例)。
生活介護の利用者負担上限額管理加算とは?
管理事業所として対応すると、利用者負担上限額管理加算を算定できます。報酬単価は、150単位/月です。たとえば、上限額管理を実施した利用者が5名いた場合、以下のように報酬額を算出できます。
報酬単価×地域区分(10円)×人数
=150単位×10円×5名
=7,500円
事前の届出なく加算を算定できますが、実地指導に備えて管理事業所名が記載されている受給者証の写しを残しておきましょう。
まとめ
生活介護の上限額管理は、利用回数が多い利用者ほど該当する可能性が高まります。対応時は関連加算をもれなく算定し、事務にかかる手間への対価をきちんと得ることが大切です。
上限額管理や加算の算定でお悩みの方は、生活介護に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献