生活介護を利用する方の障がい支援区分は年々高まり、職員の支援スキル向上が課題という事業者も多いでしょう。スキルアップに有効な手段の1つが、資格取得です。
はじめから資格を持って入職する職種もありますが、生活支援員は無資格者も多く、資格取得に向けては事業者によるサポートが大切になります。そこで今回は生活介護で働く職員の資格要件や、支援に役立つ資格一覧を紹介します。
生活介護で資格要件がある職種
生活介護で資格要件がある職種は、以下の4つです。
- 管理者
- サービス管理責任者(サビ管)
- 看護職員
- 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士(PT・OT・ST)
このうち、看護職員やリハビリ職員は、専門の学校や課程を修了したうえで国家試験に合格する必要があります。一方、管理者やサビ管は所定の研修などを修了することで、資格要件のクリアが可能です。
ここでは、管理者とサビ管の資格について詳しく見ていきましょう。
管理者
管理者は、以下のいずれかに該当すると着任できます。
- 社会福祉主事資格要件に該当する
- 社会福祉事業に2年以上従事した経験がある
- 社会福祉施設長認定講習会を修了している
上記のうち、社会福祉主事資格は厚生労働省が定める以下のいずれかに該当すると取得が可能です。
- 社会福祉士または精神保健福祉士
- 大学などにおける指定科目の履修・卒業
- 指定養成機関の修了
- 社会福祉主事に関連する通信課程の修了
- 都道府県などの講習会に参加
サビ管
サビ管になるためには所定の研修を受ける必要がありますが、受講条件として障がい福祉サービスにおける実務経験があります。必要な実務経験は、3〜8年です。
業務内容や国家資格の有無などによって異なり、もっとも短い3年は国家資格を有し、相談支援や直接支援に3年以上従事していた方となります。たとえば、看護師の資格を持って入職した場合、3年が経過すればサビ管の研修を受けられます。
実務要件をクリアした方は基礎研修と実践研修を受講しますが、基礎研修は上記の実務要件を満たす2年前から受講可能です。基礎研修の修了後は、OJT(実務経験)を経て実践研修を受講し、正式にサビ管として着任できます。
なお、サビ管の資格は5年に1回の更新が必要です。13時間ほどの更新研修を受ける必要があるため、資格失効とならないよう、本人だけではなく事業者も把握しておきましょう。
生活介護で役立つ資格一覧
生活介護では直接支援職員として、生活支援員も配置します。生活支援員に役立つ資格は、主に以下の5つです。
- 介護福祉士
- 社会福祉士
- 介護職員初任者研修
- 実務者研修
- 精神保健福祉士 など
上記のうち、介護職員初任者研修は受講難易度が低く、新卒者や介護未経験の中途採用者も受けやすいでしょう。
なお、資格取得を目指す過程で得られた知識やスキルは、日頃の支援に役立てられます。同じく働く無資格者のモチベーションアップや、資格取得への後押しにつながるケースも少なくありません。
支援の質の向上や利用者満足度の改善も期待できるため、事業者は職員のスキルアップを積極的にサポートしていきましょう。
まとめ
生活介護は資格要件が定められている職種もあるため、常に人員を確保するうえでもスキルアップの支援体制を整えておく必要があります。開業や運営でお悩みの方は、生活介護に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献