生活介護では送迎のほか、利用者を迎え入れる準備や片づけを営業時間内に行います。このように直接支援以外の業務を行う時間帯は、サービス提供時間とは区切って考えることが必要です。
そこで今回は生活介護のサービス提供時間とは何か、営業時間との違いや関連する加算・減算について紹介します。令和6年度の報酬改定についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
サービス提供時間と営業時間の違い
サービス提供時間は、実際にスタッフが利用者の支援にあたっている時間帯を指し、指定基準に定められている人員を配置する必要があります。一方、営業時間は事業所が開所している時間帯であり、準備や送迎などの時間も含まれます。
つまり、サービス提供時間は営業時間に内包される考え方です。事業所やサービス種別によっては、2つが同一時間帯の場合もあります。しかし、送迎を行っている生活介護では、営業時間とサービス提供時間との間に30分〜2時間程度の差があるケースが多いでしょう。
生活介護のサービス提供時間に関連する加算・減算
サービス提供時間に関連する加算・減算は、主に以下の3つです。
延長支援加算
営業時間が8時間以上の事業所で、1時間未満あるいは1時間以上の直接支援を別途提供した場合に算定できる加算です。生活介護の場合は、61単位/日または92単位/日を算定できます。
短時間利用減算
サービス提供時間が5時間未満の利用者が50%以上の場合、基本報酬が減算されます。減算率は、「70%」です。ただし、送迎に時間がかかる利用者や重度の障がいなどによって利用時間が短くなる利用者は、減算を算出する際に除外されます。
開所時間減算
サービス提供時間が6時間未満の場合、基本報酬が減算されます。減算率は開所時間4時間未満で「50%」、4時間以上6時間未満で「70%」です。ただし、利用者の実利用時間は問わず、4時間未満の利用であっても5時間開所していれば前者の減算率が適用されます。
令和6年度の報酬改定と生活介護のサービス提供時間
令和6年度の報酬改定に向けた有識者会議では、サービス提供にかかるコストが適切に報酬へ反映されるよう、基本報酬の見直しが提言されました。
具体的には、利用時間の実態やサービス提供時間に関連する加算・減算を踏まえ、以下のように細やかに設定してはどうかという意見が出ています。
- 4時間未満
- 4時間以上5時間未満
- 5時間以上6時間未満
- 6時間以上7時間未満
- 7時間以上8時間未満
- 8時間以上9時間未満
これから生活介護を開業する方はもちろん、現在運営している事業者も報酬改定の行方を注視していきましょう。
まとめ
生活介護のサービス提供時間は、加算や減算にも関わる重要な要素の1つです。加算や減算でお悩みの方は、生活介護に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献