障がい福祉サービスでは利用定員があり、それに基づいて必要な職種・人員を配置するよう定められています。生活介護も同様ですが、多機能型事業所に組み込まれるケースもあり、「最低定員がよくわからない」「他の事業所では、どれくらいの利用者がいるのか」など気になる方もいるでしょう。
そこで今回は生活介護の利用定員について、最低定員や現状のほか、令和6年度の報酬改定に向けて見られている動きを紹介します。
生活介護の利用定員はどれくらい?
生活介護の利用定員は、事業形態によって異なります。
通常の事業所の場合
通常の最低定員は、20人です。基本報酬では20人以下から81人以上まで、20人ずつ5段階に分けて報酬単価を分けています。
多機能型事業所の場合
多機能型事業所の場合は事業所全体の利用定員が20人以上、うち生活介護は6人以上です。
ただし、児童発達支援と生活介護など、重症心身障がい者の支援にあたる複数の事業がある場合は、すべての事業の利用定員が5人以上となります。なお、各事業の定員上限はありません。
生活介護の利用定員における現状
厚生労働省のデータによると、生活介護の定員内訳は下表のようになっています。
区分6 | 区分5 | 区分4 | 区分3 | 区分2 | 合計 | |
定員20人以下 | 9.3% | 5.8% | 4.6% | 1.9% | 0.3% | 21.9% |
定員21人以上
40人以下 |
11.8% | 8.9% | 6.6% | 2.0% | 0.2% | 29.5% |
定員41人以上
60人以下 |
16.5% | 9.2% | 5.3% | 1.3% | 0.1% | 32.4% |
定員61人以上
80人以下 |
6.7% | 3.6% | 2.0% | 0.5% | 0.04% | 12.8% |
定員81人以上 | 1.8% | 1.0% | 0.5% | 0.1% | 0.01% | 3.4% |
合計 | 46.1% | 28.5% | 19.0% | 5.8% | 0.7% | — |
利用定員は「41人以上60人」がもっとも多く、かつ60人以下が全体の約8割を占めています。また、障がい支援区分は区分6がもっとも多く、区分5・6が全体の約7割を占める状況です。
令和6年度の報酬改定と生活介護の利用定員
障がい支援区分が高い、つまり重度障がい者を受け入れる場合、10人と20人とでは介護負担が大きく変わります。
実際、事業所の取り組みが適切に報酬へ還元されるよう、令和6年度の報酬改定に向けて開かれた有識者会議では、基本報酬の見直しについて提言がありました。具体的には、利用定員規模別の報酬設定を20人ごとから、10人ごとに変更してはどうかというものです。
生活介護を開業・運営する方は最新情報を常に把握し、必要に応じて集客や算定額の見直しを進めていきましょう。
まとめ
生活介護の利用定員は、今後の報酬改定によって最低人数が変わる可能性があります。生活介護の開業や経営でお悩みの方は、生活介護に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献