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就労移行支援では、利用料の一部を利用者に自己負担してもらうことがあります。その負担の軽減に利用できる制度のひとつが、失業保険です。

そこで今回は、就労移行支援の利用者が失業保険を受け取るための条件や注意点などを紹介します。

就労移行支援の利用者が失業保険を受けるための条件と手続き

利用者が失業保険を受けながら就労移行支援を利用するための条件と、手続きの流れを見ていきましょう。

適用条件

利用者が失業保険を受け取るための条件は、以下のとおりです。

 

  • 失業状態である
  • 雇用保険の加入期間が退職前の1年間に6か月以上ある
  • ハローワークへ求職の申し込みをしている

 

最低限満たすべき条件は、利用者が無職であり、かつ仕事をする意思があることです。なお、就労移行支援の利用者は「就職困難者」として認定されるため、後述する給付日数の延長といった優遇措置も適用されます。

手続きの流れ

利用者が失業保険を受け取るための手続きは、以下の手順です。

 

  1. 退職した会社から離職票を受け取る
  2. ハローワークで失業保険の手続きと求職申込をおこなう
  3. 雇用保険受給者初回説明会に参加する
  4. 失業認定を受けるため4週間ごとにハローワークへ行く

 

なお、利用者の指定口座に失業保険が振り込まれるのは、失業認定日から約1週間です。利用者の再就職が決まるまで、あるいは給付期間が終了するまで認定〜振込を繰り返します。

失業保険を受けながら就労移行支援を利用するときの注意点

就労移行支援の利用者が失業保険を受けるときの注意点は、以下のとおりです。

「就職困難者」と認定されれば給付日数が延長できる

通常、失業保険の給付期間は90〜330日です。しかし、就労移行支援の対象者である障がい者は就職困難者に該当し、給付期間が150〜360日となります。就職困難者のメリットは、以下のとおりです。

 

  • 2か月の給付制限期間がないため、失業認定されれば受け取れる
  • 失業保険の所定給付日数が残ったまま再就職した場合、常用就職支度手当が受け取れる

 

なお、障がい者手帳の交付を受けていない場合でも、就職困難者に認定されるケースもあります。受給の可否について悩んでいる利用者や利用希望者がいる場合は、主治医やハローワークへ相談するよう促しましょう。

失業保険と障害年金は両方受け取れる

保険や年金といった給付金は、収入や年齢などさまざまな理由によって支給調整がされて同時に受け取れないケースがあります。

しかし、障がい年金を受給している場合は、失業保険も同時に受け取れます。お金の不安から利用をためらっている方がいれば上記について案内し、必要に応じて相談員や行政庁の担当者への橋渡し役を担うとよいでしょう。

まとめ

就労移行支援では、失業保険を受け取りながら利用できます。お金の心配なく利用者に通所してもらうためにも、事業者側も失業保険の制度を理解しておきましょう。

集客や運営でお悩みの方は、就労移行支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。

 

参考文献

障がい者の就労支援について|厚生労働省

就労移行支援ガイドブック|厚生労働省

 

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