就労移行支援とリワークは、利用者が働けるように支援する福祉サービスです。2つはさまざまな点に違いがありますが、「似ているため、よくわからない」という事業者も多いでしょう。
そこで今回は就労移行支援とリワークの違いを踏まえながら、それぞれ向いている人について紹介します。
就労移行支援とリワークの違い
就労移行支援とリワークの違いは、以下のとおりです。
目的の違い
就労移行支援は利用者が一般企業へ就職できるよう、就業に必要な能力や知識の習得を支援します。また、就職後も、職場に定着して働いていけるようにサポートする福祉サービスです。
一方、リワークは休職している方が、スムーズに元の職場に復帰できるように支援します。復帰後の再休職を防ぐことも、目的のひとつです。
対象者の違い
就労移行支援の対象者は、一般企業への就職や復職を希望している以下のような障がい者です。
- 身体障がい者
- 精神障がい者
- 発達障がい者
- 知的障がい者
- 難病の方
一方、リワークの対象者は基本的に在職しており、うつ病や不安障がいなど精神疾患で休職中の方になります。
利用期間の違い
就労移行支援の利用期間は、原則2年間です。ただし、支援の継続が必要だと認められ、かつ成果が見込まれる場合は、利用期間を最大1年間延期できます。
一方、リワークの利用期間は、通所先によって異なります。ただし、おおむね3か月から7か月ほどが多いようです。
利用場所の違い
就労移行支援は、当該サービスを提供している障がい福祉サービス事業所へ通所します。リワークの利用場所は、以下のとおりです。
- 医療機関
- 障がい者職業センター
- 就労移行支援事業所(条件により利用可)
利用料金の違い
就労移行支援の利用料金は前年の世帯収入によって変わり、かつ収入区分によって上限額が定められています。たとえば、生活保護受給世帯は無料で利用でき、市町村民税課税世帯は9,300円/月です。
一方、リワークの利用料金は月2,500円〜2万円程度になります。金額に幅があるのは、実施団体の違いや自立支援医療制度の利用の有無によるものです。なお、「地域障 がい者職業センター」は無料で利用できます。
就労移行支援・リワークに向いている人
就労移行支援に向いている人は現在無職であり、就業訓練だけでなくセルフコントロールなど生活面の支援や助言を受けたい方になります。障がいの程度や能力などを踏まえた職場探しも支援するため、自分に合った職場を探している方もおすすめです。
一方、リワークに向いている人は、職場を変えずに現職へスムーズに復帰したい方になります。いずれも就労を支援するサービスのため、就労移行支援の事業者は両者のメリットや強みを把握しつつ、必要に応じて橋渡し役を担うとよいでしょう。
まとめ
就労移行支援とリワークは、支援を受けながら職に就くという目的は一緒です。ただし、対象者の範囲や利用料金などに違いがあります。
開業や事業所間の連携などについてお悩みの方は、就労移行支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献