生活介護に通所する利用者は車いすや杖を利用する方が多く、送迎サービスへの需要は非常に大きいものです。実際、ほとんどの事業所で送迎サービスを実施しています。
そこで今回は生活介護における生活介護の実施状況はもちろん、提供することで算定できる送迎加算の詳細について紹介します。
生活介護における送迎サービスの実施状況
生活介護事業所の実態調査報告によると、送迎サービスの実施状況は下表のとおりです。
事業所数 | 割合 | |
実施している | 1,105か所 | 93.9% |
実施していない | 59か所 | 5.0% |
不明・無回答 | 13か所 | 1.1% |
合計 | 1,177か所 | 100% |
生活介護の送迎サービスは義務ではないものの、約9割とほとんどの事業所で実施しています。障がい支援区分で分類すると、区分5・6の方による利用率が高くなっています。
生活介護の送迎加算とは?
生活介護で算定できる送迎加算の算定要件や報酬単価などは、それぞれ以下のとおりです。
算定要件
以下の2つを満たしている場合は送迎加算(Ⅰ)、片方のみ満たしている場合は送迎加算(Ⅱ)を算定できます。
利用者要件 | 1回の平均利用者数が10名以上※ |
回数要件 | 週3回/月以上 |
※定員20名以下の場合は50%以上
なお、生活介護の送迎サービスでは「区分5・6の利用者、あるいはこれに準ずる者が60%以上」の場合、送迎加算(重度)の上乗せ算定も可能です。
報酬単価
送迎加算の報酬単価は、下表のとおりです。
送迎加算(Ⅰ) | 21単位/片道 |
送迎加算(Ⅱ) | 10単位/片道 |
送迎加算(重度) | 28単位 |
※同一敷地内の場合は×70/100
たとえば、以下の条件における報酬額を計算してみましょう。
- 週3回、月12回送迎サービスを利用する方が15名
- 送迎加算(Ⅰ)に該当
報酬単価×往復分×人数×日数×地域区分(10円)
=21単位×2×15人×12日×10円
=75,600円
1年で換算すると、約90万円の収益アップとなります。
算定状況
生活介護事業所の実態調査報告によると、約7割の事業所が送迎加算を算定しています。
事業所数 | 割合 | |
送迎加算(Ⅰ)の算定 | 809か所 | 73.2% |
送迎加算(Ⅱ)の算定 | 101か所 | 9.1% |
送迎加算(重度)の算定 | 432か所 | 46.2% |
送迎加算(重度)も、半数以上が算定している状況です。重度障がい者に対する支援体制の構築は、送迎サービスを考えるうえでも急務といえるでしょう。
まとめ
生活介護の送迎サービスは需要が非常に高く、集客や収益にもつながります。開業や経営でお悩みの方は、生活介護に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献