就労移行支援の指定申請時に設立する法人のうち、株式会社と同じ営利法人に属するのが合同会社です。
しかし、初めて法人を設立する方からすると「株式会社と何が違うのか」「設立の手続きは大変なのか」など疑問があるでしょう。そこで今回は就労移行支援で合同会社を設立するメリット・デメリットや、具体的な流れを紹介します。
就労移行支援で合同会社を設立するメリット・デメリット
まずは、就労移行支援で合同会社を設立するメリット・デメリットについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
メリット
就労移行支援で合同会社を設立するメリットは、主に以下の3つです。
- 設立費用が株式会社よりも安い
- 利益や権限の配分における柔軟性が高い
- 定款の認証が不要なため、設立期間が短い
株式会社の設立費用は15〜25万円ほどかかりますが、合同会社は5〜12万円ほどと約2分の1になります。なるべく低コストかつ短期間で法人を設立したい方に、おすすめの選択肢です。
ただし、定款の作成は必要となります。登記申請時に提出するうえ、株主や債権者などが閲覧するためです。認証が不要とはいえ、定款は事業内容に即し疑義の生じないものを作成しましょう。
デメリット
就労移行支援で合同会社を設立するデメリットは、主に以下の2つです。
- 株式会社よりも社会的信用度は低い
- 社員の意見が対立すると意思決定が進まない
株式会社であれば、どんなに意見が対立しても最終的に保有株が多い方の意見が通ります。しかし、合同会社は社員1人ひとりに議決権があるため、意見が割れると結論が出ないケースも少なくありません。
このような事態を避けるためにも「出資額が多い方に議決権があり、過半数の同意で決定する」など株式会社と同じようなルールをあらかじめ明記するとよいでしょう。
就労移行支援で合同会社を設立する流れとは?
就労移行支援の開業で合同会社を設立する場合、以下のような流れで手続きを進めます。
- 重要事項の策定
- 定款の作成
- 資本金の払い込み
- 登記申請
なお、重要事項として決定する内容は以下のとおりです。
- 商号(会社名)
- 事業目的
- 取締役
- 発起人
- 資本金 など
合同会社は株式会社の設立よりも短期間で手続きが完了するとはいえ、書類に不備があると手戻りや追加費用が発生します。設立にかかる手間を削減したい方は、税理士などの専門家から力を借りる、あるいは書類の作成代行を依頼するとよいでしょう。
まとめ
合同会社は、就労移行支援の指定申請時に設立できる法人種別の1つです。株式会社よりも低コスト・短期間で設立できる点がメリットのため、比較的ハードルが低い法人といえるでしょう。
合同会社を設立したい方は、就労移行支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献