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就労移行支援の運営で複雑な工程のひとつが、上限額管理です。管理を担当すると「利用者負担上限額管理加算」を算定できますが、「そもそも上限額管理とは?」という疑問がある方もいるでしょう。

そこで今回は上限額管理事業所の基礎知識を踏まえながら、報酬単価や注意点などを紹介します。

上限額管理事業所とは?

上限額管理事業所とは、利用者の上限負担額を超えないように請求額を調整・管理する事業所を指します。担当するのは原則、毎月利用している事業所です。該当事業所がない場合は、利用頻度の多いところが担当します。

たとえば、AとBの2事業所を利用しており、上限額が9,300円の利用者について考えてみましょう。

 

  • A事業所(管理事業所)からの請求額 5,000円
  • B事業所からの請求額 5,000円→4,300円へ調整

 

上記は合算金額が上限額を超えるため、B事業所の請求額を調整します。なお、A事業所のみで上限額を超える場合、B事業所の請求額は0円となります。

就労移行支援の利用者負担上限額管理加算とは?

当加算の報酬単価は、150単位/月です。たとえば、次のようなケースがあったとしましょう。

 

  • 上限管理が必要な利用者3人
  • 該当する月が以下のとおり
    • 利用者A 2か月
    • 利用者B 3か月
    • 利用者C 1か月

 

この場合、報酬額は次のように算出可能です。

 

  • 利用者A 150単位×2か月×地域区分(10円)=3,000円
  • 利用者B 150単位×3か月×地域区分(10円)=4,500円
  • 利用者C 150単位×1か月×地域区分(10円)=1,500円

 

つまり、合計9,000円の報酬額が国から支払われます。

就労移行支援の利用者負担上限額管理加算を算定する際の注意点

上限額管理事業所のみを利用した月に関しては調整が不要のため、当加算は算定できません。また、就労移行支援の場合、対象者は精神障がい者退院支援施設利用者に限ります。ほかの障がい福祉サービスと対象者が異なるため、混同しないように注意しましょう。

 

まとめ

利用者負担上限額管理加算は、複数の事業所を利用している方がいる場合に算定できます。経営や運営でお悩みの方は、就労移行支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。

 

参考文献

障がい者の就労支援について|厚生労働省

令和3年度障がい福祉サービス等報酬改定について|厚生労働省

利用者負担の上限管理方法について|厚生労働省

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