就労移行支援で収益を増やす方法のひとつが、加算の算定です。その中でも初期加算は、サービス利用開始の直後から算定できます。
開業を検討している方は、「初期加算がどのようなものかわからない」「報酬額はどれくらいになるのか」など疑問があるでしょう。そこで今回は就労移行支援における初期加算の概要や、算定する際の注意点について紹介します。
就労移行支援の初期加算とは?
初期加算の算定要件や報酬単価は、それぞれ次のとおりです。
算定要件
初期加算の算定要件は、次の3つになります。
- サービスを利用開始した日から30日以内の算定である
- 利用者の状況を把握し、支援内容を記録する
- 利用者が過去3か月間に同じ障がい者福祉サービスを利用していない
初期加算は利用者の居宅を訪問し、生活状況を把握するアセスメントやその他必要な支援を提供した際に算定できます。届出は不要となっているため、条件がそろったら速やかにサービス提供実績記録票の指定箇所へ必要事項を記入し算定していきましょう。
報酬単価
初期加算の報酬単価は、30単位/日です。たとえば、次のような条件を考えてみましょう。
- 新規利用者5名
- 利用開始から30日以内に1人あたり10回支援
この場合、事業所における初期加算の報酬は以下のように算出されます。
利用者数×支援回数×報酬単価×地域単価(10円)
=5人×10回×30単位×10円
=15,000円
就労移行支援で初期加算を算定する際に注意したいこと
初期加算を算定する際、次の3つに注意しましょう。
- 利用開始日から30日以内に、利用者が実際に利用した日数分のみの算定となる
- 30日を超える病院、または診療所の入院後に再度利用した場合は算定できる
- 事業所や病院、診療所が同一法人運営の場合は算定できない
30日を超える入院後は利用者に対して再度アセスメントや支援が必要となるため、新たに初期加算の算定ができます。
ただし、事業所と同一敷地内に併設する病院、または診療所への入院の場合は算定できないため注意してください。同一法人運営の場合、アセスメントなどの共有・連携が可能であると判断されるためです。上記の注意点に留意し、適切に初期加算を算定していきましょう。
まとめ
就労移行支援の初期加算は、サービス利用開始の段階で算定できる貴重な加算です。経営の早期安定化のために初期加算の注意点を理解し、漏れのないようにしていきましょう。
加算の算定や経営でお悩みの方は、就労移行支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献