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就労移行支援は就労継続支援A型・B型と異なり、作業を通じて得られる売上がありません。そのため、開業を検討している方の中には「どのように収入を確保しているのだろうか」と疑問に思う方もいるでしょう。

そこで今回は、就労移行支援の収入源や収支シミュレーションを踏まえ、儲かるのか否かを紹介します。

就労移行支援の収入源とは?

就労移行支援の収入源は、主に次の3つです。

基本報酬

就労移行支援の基本報酬は定員数や、就職後6か月以上経過した元利用者の定着率に応じて支給されます。

たとえば、定員20人以下の場合、基本報酬は468単位〜1,128単位です。地域区分を踏まえて金額に算出し直すと、1日あたり約5,000円〜1万円ほどの報酬額になります。

加算の算定

質の高いサービスを行う事業所は、加算を基本報酬に上乗せして受け取ることも可能です。加算の種類は利用者の状況や人員体制によって、算定できるものが異なります。

補助金

就労移行支援事業所は、場合によっては訪問型職場適応援助者助成金の支給対象になります。対象障がい者・支援内容など一定の基準を満たす事業所に対して、申請により経費の一部が助成される仕組みです。

 

就労移行支援の収支シミュレーション

ここでは、以下の条件をもとに就労移行支援の収支シミュレーションについて解説します。

 

  • 一般型
  • 平均利用者数12人
  • 稼働日数20日
  • 就労定着率3割以上4割未満
  • 加算を加味しない

収入(売上)

上記条件の場合、基本報酬は820単位となり、報酬額は次のように算出されます。

 

12人×20日×820単位×10円

=1,968,000円

 

つまり、ひと月の収入は約200万円です。

支出

平均利用者数が12人の場合は最低でも就労支援員は1名、職業指導員・生活支援員がそれぞれ1名ずつ必要になります。管理者とサビ管を兼務した場合の人員配置と人件費例は、下表のとおりです。

 

人員数 人件費/月
管理者兼サビ管 1名 350,000円
就労支援員 常勤1名 220,000円
職業指導員 常勤1名 200,000円
生活支援員 非常勤0.5名×2 280,000円
合計 1,050,000円

 

さらに、その他の経費を次のように仮定します。

 

建物賃料 150,000円
水道光熱費 40,000円
通信費 27,000円
その他 200,000円
合計 417,000円

 

最終的な支出額は、1,467,000円です。よって、本例における事業所の収益は「501,000円」となります。

就労移行支援は儲かる?

上記の収支シミュレーションを踏まえると、就労移行支援はある程度の収益が見込まれ、工夫次第では儲かるといえるでしょう。ただし、全国的に見ると経営状況はやや厳しい傾向にあります。厚生労働省の実態調査によると、過去の収支差率は下表のようになっています。

 

平成29年度 平成30年度
収入 26,988 26,902
支出 25,976 26,458
収支差

(収支差率)

1,012

(3.7%)

444

(1.7%)

単位:千円

 

収入にそれほど差はないため、収支差率が減少したのは支出の増加によるものです。就労移行支援で儲かるためには人員を過不足なく配置し、安全・安心を維持できる範囲で各種経費を削減することが大切になってきます。

 

まとめ

就労移行支援の収入源は、基本報酬や加算などが挙げられます。事業所として生き残るためには、就労定着率の引き上げと人員配置の見極めが大切です。

開業や経営でお悩みの方は、就労移行支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。

 

参考文献

障がい者の就労支援について|厚生労働省

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