就労移行支援の運営には、さまざまな職員が関わります。就労支援員もその1人ですが、就労継続支援にはない就労移行支援ならではの職種です。そのため、「どのような仕事をするのか」など疑問がある方も多いでしょう。
そこで今回は就労支援員の仕事内容や向いている人、平均年収などについて紹介します。
就労移行支援の就労支援員①役割や仕事内容
就労支援員の主な役割や仕事内容は、次の5つです。
- 利用者のニーズや能力を評価し適切な就労先を紹介する
- 就労先との面談や職場環境などの調整を行う
- 利用者の職業訓練を提供し職場で必要なスキルを身に付ける支援を行う
- 職場でのトラブル解決やコミュニケーションのサポートを行う
- 就業後のフォローアップや相談対応を行う
利用者のニーズに応じて精神保健福祉士や臨床心理士、作業療法士などの専門職と共同して支援することもあります。
就労移行支援の就労支援員②人員配置基準
就労支援員は、利用者15人に対し常勤換算で1人以上の配置が義務付けられています。ただし、利用者は時期によって参照する人数が異なるため注意しましょう。
- 開業から6か月は定員の9割
- 6~12か月までは開業から6か月の平均
- 12か月から年度実績が出るまでは直近12か月の平均
たとえば、開業から6か月以内で定員が16名の場合、必要な移行支援員の人数は次のように算出できます。
定員の9割=16名×0.9=14.4人
「利用者:就労支援員=15:1」のため、常勤換算で1人以上の配置すればOK |
就労移行支援の就労支援員③向いている人
就労支援員として働いてもらうためには、特別資格は必要ありません。ただし、次のような資格を持っている人員を確保すると、サービスの質の向上など大きなメリットがあります。
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 看護師
- 作業療法士
- 臨床心理士
労働環境などの就労支援に関する知識や障がい者の支援方法など、障がい者福祉に関する知識を保有している人員もよいでしょう。いずれにしても、就職後に学びを深める機会を事業者側で準備することが大切です。
就労移行支援の就労支援員④平均年収
厚生労働省の実態調査によると就労支援員の平均年収は常勤が約334万円、非常勤が約211万円です。就労移行支援でともに働く職業指導員や生活支援員と、それほど大きな年収差はありません。
配置する人数が職業指導員・生活支援員よりも少なくなるケースが多いため、人件費もコントロールしやすい職種といえるでしょう。
まとめ
就労支援員は就労移行支援ならではの職種ですが、必須資格がない分、確保しやすい人員です。ただし、就労移行支援の成果を上げ基本報酬の単価を増やすためにも、ある程度就労に関する知識やスキルがある人員が望ましいでしょう。
運営や採用でお悩みの方は、就労移行支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献