就労移行支援は、障がい者の一般就労を支援する障がい福祉サービスです。同様のサービスとして就労継続支援や就労定着支援があるうえ、それぞれ人員配置が異なるため、混乱しやすい方も多いでしょう。
そこで今回は就労移行支援の人員配置基準や、各職種の資格要件などについて紹介します。
就労移行支援の人員として配置する職種
就労移行支援の人員として配置する職種は、次の5つです。
- 管理者
- サービス管理責任者(サビ管)
- 就労支援員
- 職業指導員
- 生活支援員
なお、人員配置基準の人数は常勤換算で算出されます。ここでいう常勤とは、週の労働時間が32〜40時間であることです。この時間に残業時間は含まれません。
また、利用者数は前年度の平均利用者数ですが、開業から年度実績が出るまでの間は次のように計算します。
- 開業から6ヵ月は定員の9割
- 6~12ヵ月までは開業から6か月の平均
- 12か月から年度実績が出るまでは直近12か月の平均
人員配置を考える際は、利用者数や常勤の労働時間を考慮することを忘れないようにしましょう。
管理者
管理者は事務所の管理業務を担う総括者であり、スタッフの管理や事務所内外との調整を行います。人数は各事業所に1人以上必要ですが、資格や常勤の要件はありません。
また、専従であることが求められますが、同じ事業所や同じ敷地内の事業所であれば、ほかの職種と兼任が可能です。
サービス管理責任者(サビ管)
サビ管は利用者と面談し「個別支援計画」を作成し、支援に対して中心的な役割を担います。各事業所に、常勤かつ専任のサビ管が1人以上必要です。利用者数が60人を超えた場合は、40人ごとに1人追加配置します。
なお、サビ管になるためには実務要件を満たし、既定の研修を受ける必要があります。また、資格継続のためには5年ごとの更新研修を受講する必要がある点には留意しましょう。
就労支援員
就労支援員は、就職活動や職場定着への支援を行う職種です。利用者15人に対し、常勤換算で1人以上の配置が必要になります。資格要件はありません。
職業指導員・生活支援員
職業指導員は利用者に職業上必要な技術をレクチャー、生活指導員は日常生活の支援を行う職種です。就労支援員と同様に資格要件はありません。事務所ごとに1人以上必要であり、かつ生活指導員の人数と合わせて利用者6人に対し1人以上の配置が求められます。
また、職業指導員と生活支援員は、いずれか1人が常勤であることも必要です。
まとめ
就労移行支援の人件費をコントロールするためには、利用者数を把握して過不足のない人員配置が大切になります。開業準備や経営でお悩みの方は、就労移行支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献