児童発達支援で発生する収入のうち、9割は国から支払われる報酬です。令和3年度には「個別サポート加算」が設けられ、新たな収益源となりました。
そこで今回は児童発達支援における個別サポート加算の算定要件や報酬単価、注意点について紹介します。
児童発達支援の個別サポート加算とは?
個別サポート加算には(Ⅰ)と(Ⅱ)があり、対象者や加算単位数が異なります。ここでは、当加算の算定方法や報酬単価について見ていきましょう。
算定要件
個別サポート加算の算定要件は、それぞれ次のとおりです。
個別サポート加算(Ⅰ)
個別サポート加算(Ⅰ)は、重症度が著しく高く、行動上の課題が顕著な児童を支援した際に算定できます。具体的にはつぎのような5領域11項目の調査項目からスコア判定を実施し、一定要件を満たしたときに算定可能です。
- 4歳未満の場合、以下の項目のうち2つ以上全介助または一部介助がある
- 食事
- 排泄
- 入浴
- 移動
※市町村が認めるときに障がい児が3歳以上であった場合は、次の項目に該当する必要があるものとする。
- 3歳以上の場合は以下の2つに該当する
- 上記の項目で全介助または一部介助である項目が1つ以上
- 行動障がい、精神症状が週5日以上、または週1回以上の項目が1つ以上
個別サポート加算(Ⅱ)
個別サポート加算(Ⅱ)は、虐待などで保護や支援が必要な児童を支援した際に算定できます。加算を算定するには、次のような虐待から児童をサポートする体制が必要です。
- 保護や支援の必要性や状況を共有
- 保護や支援の必要性や状況を踏まえて児童発達支援計画を作成
- 市区町村からの照会、問い合わせに対して保護や支援の必要性や支援状況を報告
また、上記のような情報は関係機関(児童相談所やその他公的機関、要保護児童対策地域協議会など)にも伝える必要があります。
報酬単価
個別サポート加算の報酬単価は、下表のとおりです。
個別サポート加算(Ⅰ) | 個別サポート(Ⅱ) |
100単位/日 | 125単位/日 |
たとえば、週1回の利用で個別サポート加算(Ⅰ)を算定する際の計算式は、次のようになります。
報酬単価×回数×地域区分
=100単位×4回×10円
=4,000円
また、同じ条件で個別サポート加算(Ⅱ)を算定する際の計算式は、次のとおりです。
報酬単価×回数×地域区分
=125単位×4回×10円
=5,000円
児童発達支援の個別サポート加算を算定する際の注意点
児童発達支援の個別サポート加算(Ⅰ)では3歳を境に算定条件が変化するため、混同したり切り替えを忘れたりしないように注意しましょう。
また、個別サポート加算(Ⅱ)では、保護者からの同意を得る必要もあります。ただし保護者によっては虐待などの認識がない、あるいは否定する場合もあるでしょう。そのため、必要に応じて関係機関と協力し、慎重に事態の把握や支援につなげていく姿勢も大切です。
まとめ
児童発達支援の個別サポート加算は、令和3年度の報酬改定で新設された加算です。経営や加算の算定についてお悩みの方は、児童発達支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献