就労移行支援は、障がいを持つ方が一般企業への就職できるよう支援する福祉サービスです。しかし、利用者の中には「就労移行支援を利用しても無意味」「結局何も変わらなかった」と感じてしまう方も少なくありません。
そこで今回は「就労移行支援は意味ない」と感じる理由と、そのように言われないために事業者側が行うべき工夫について紹介します。
「就労移行支援は意味ない」と感じる理由
就労移行支援が無意味だと利用者が感じる理由は、主に次の3つです。
障がいへの理解が乏しい
利用者と支援者、双方が障がいへの理解が乏しいと「就労移行支援は意味ない」と感じてしまう可能性があります。
利用者が障がいについての理解が不十分な場合、そもそも障がい福祉サービスの必要性をあまり感じられません。とくに中途障がい者は障がい受容が難しく、時間がかかる傾向があります。
また、支援者の知識やスキルが不足していると、利用者の課題に対する最適な支援方法を選択できません。すると利用者と支援者の間にミスマッチ感が生じ、結果として「意味ない」と感じさせてしまうのです。
利用者と支援者の間に認識のズレがある
前述の障がい理解も含め、次のような内容についても利用者と支援者の間に認識のズレが生じやすいポイントです。
- 働くとはどういうことか
- どのような仕事が向いているか
- 現状における課題は何か など
認識のズレを感じる場面は素通りせず、1つずつ丁寧に深掘りしていく必要があります。
スキルアップを実感できない
就労移行支援を利用してもスキルアップを実感できず、なかなか就職につながらない場合も「意味ない」と利用者が感じやすくなります。この点は支援者のスキルだけでなく、利用者の意欲も関係するため、より一層解決が難しく感じる事業者も多いでしょう。
とはいえ、工夫次第では小さな成長も強く実感し、前向きに就労へ取り組めるようになる場合もあります。具体的な工夫は、次項を参考にしてみてください。
「就労移行支援は意味ない」と感じさせない工夫
「就労移行支援は意味ない」だと感じさせない工夫は、主に次の2つです。
利用者と密にコミュニケーションを取る
利用者との認識のズレを減らし、ともに同じ目標へ向かって努力するためにも、密にコミュニケーションを取りましょう。ただし、中には会話が苦手な利用者もいるため、無理強いするのは厳禁です。
自分の気持ちをあらかじめメモに書いてきてもらうなど、相手がストレスを感じにくい方法で少しずつ信頼関係を築くことが大切です。
目標や結果を数字で可視化する
「1日頑張る」など定性的な表現は達成度合いがわかりにくいため、目標や結果は数字で可視化することをおすすめします。たとえば、精神障がいなどによって労働の疲労感が強い利用者の場合、「〇分、集中して□□(仕事内容)に取り組む」など具体化します。
そうするとできた・できなかったという結果だけでなく、「もう少しでこの目標を達成できそう」など少し未来の展望も見えてきます。就労移行支援の利用を通した成長も実感でき、目標達成に向けてより一層意欲的に取り組めるようになるでしょう。
まとめ
「就労移行支援は意味ない」と利用者に感じさせないためには、事業所側の配慮や支援の質の向上が必要です。開業準備や運営でお悩みの方は、就労移行支援に強い「日本で唯一の障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献