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障がい者の法定雇用率が年々引き上げられ、一般企業への就労を支援する就労移行支援の重要性が増しています。しかし、就労継続支援にくらべると比較的新しい障がい福祉サービスのため、対象者や支援内容についてわからない方も多いでしょう。

そこで今回は就労移行支援の基礎知識はもちろん、近年における全国数の推移も紹介します。

就労移行支援とは?

ここでは就労移行支援の基礎知識として、次の5つを見ていきましょう。

対象者

就労移行支援の対象者は、一般企業への就職を目指す障がい者などです。具体的には、次のような方が対象になります。

 

  • 身体障がい者
  • 精神障がい者
  • 知的障がい者
  • 発達障がい者
  • 難病の方

 

就労移行支援を利用できる方の年齢は、原則65歳未満です。しかし、現在では一定の要件を満たすと、65歳以上の方でも利用できるようになっています(平成30年4月~)。

支援内容

就労移行支援の支援内容は、主に次の3つです。

 

  • 一般就労に必要な知識やスキルの習得を目指す訓練
  • 職場の開拓や定着に向けたサポート
  • 求職活動の支援 など

 

なお、就労移行支援では就労継続支援のような賃金は発生しません。工賃の計算や管理が不要な分、比較的運営しやすい事業といえるでしょう。

支援者

就労移行支援の支援者としては、次のような職種が関わります。

 

  • 管理者
  • サービス管理責任者
  • 就労支援員
  • 職業指導員
  • 生活支援員

 

もっとも特徴的なのは、就労支援員の配置です。他の就労系サービスにはない職種のため、きちんと採用活動を進めて人員を確保する必要があります。

利用期間

就労移行支援の利用期間は、原則2年です。ただしサービスの必要性が認められ、継続した支援により成果が見込まれる場合は、利用期間を最大1年間延期できます。

利用に必要なもの

就労移行支援の利用に必要なのは、障がい福祉サービス受給者証です。受給者証の申請には、次のいずれかが必要になります。

 

  • 障がい者手帳
  • 医師の診断書
  • 医師の意見書

 

対象者が障がいや難病を持つ方であっても、必ずしも障がい者手帳が必要なわけではない点には注意しましょう。

就労移行支援の現状とは?

就労移行支援の事業所数や利用者数の推移は、下表のとおりです。

 

 

事業所数 利用者数
平成29年度 3,421か所 33,780人
平成30年度 3,287か所 33,560人
令和元年度 3,090か所 33,548人

 

この表から、事業所数・利用者数ともに減少傾向にあることがわかります。就労移行支援の事業所として生き残るためには他事業所との差別化戦略をきちんと立て、堅実的な運営・経営が必要といえるでしょう。

まとめ

就労移行支援とは、一般企業への就職を目指す方を支援する障がい福祉サービスです。就労継続支援や就労定着支援と似ている部分もあるため、混同しないよう注意する必要があります。

開業や指定申請でお悩みの方は、就労移行支援に強い「日本で唯一の障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。

 

参考文献

障がい者の就労支援について|厚生労働省

就労移行支援ガイドブック|厚生労働省

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