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児童発達支援は、令和3年度に大幅な報酬改定がありました。もっとも大きな変更点は、医療的ケア児の受け入れを評価し、報酬単価に反映する点です。しかし、児童発達支援の開業を検討中の方は「そもそも医療的ケア児とはどのような児童か」などの疑問があるでしょう。

そこで今回は児童発達支援に関わる医療的ケア児の基礎知識や、受け入れのメリット・デメリットを解説します。

児童発達支援で関わる医療的ケア児とは?

医療的ケア児とは、医療機器や薬剤など医療的な介入が必要な児童です。ここでは医療的ケア児と重症心身障がい児との違いや、判定基準について見ていきましょう。

重症心身障がい児との違い

医療的ケア児と重症心身障がい児の違いは、下表のとおりです。

 

  重症心身障がい
非該当 該当
医療的ケア あり 医療的ケア児 重心医ケア児
なし 医ケア・重心以外の障がい児 重症心身障がい児

 

重症心身障がいとは、重度の知的障がいと肢体不自由がある状態を指します。重症心身障がい児は重度の障がいがあるものの医療的ケアが不要な児童であり、その逆が医療的ケア児になります。

医療的ケア児の判定基準

医療的ケア児は、医療的ケアスコア表をもとに判断されます。具体的な評価項目は、下記のとおりです。

 

  1. 人工呼吸器の管理
  2. 気管切開の管理
  3. 鼻咽頭エアウェイの管理
  4. 酸素療法
  5. 口腔または器官内の吸引
  6. ネブライザーの管理
  7. 経管栄養の管理
  8. 中心静脈カテーテルの管理
  9. その他の注射管理
  10. 血圧測定
  11. 継続的な透析
  12. 導尿
  13. 排便管理
  14. 痙攣時の対応

 

上記とあわせ、医師の診断書や検査結果などを踏まえて総合的に評価し、医療的ケア児の認定可否が判断されます。

児童発達支援で医療的ケア児を受け入れるメリット・デメリット

児童発達支援で医療的ケア児を受け入れるメリットとデメリットは、それぞれ次のとおりです。

メリット

医療的ケア児を受け入れる最大のメリットは、基本報酬が上がる点です。たとえば、児童発達支援事業所で医療的ケア児を受け入れると、下表のような基本報酬になります。

 

利用定員 医療的ケア児 医療的ケア児以外
32点以上 16点以上 3点以上
10人以下 2,885 1,885 1,552 885
11~20人 2,613 1,613 1,280 613
21人以上 2,486 1,486 1,153 486

※単位表記を省いています

 

いずれの利用定員でも、医療的ケア児の報酬単価はそれ以外の児童を受け入れる際の約2倍以上となっています。開業直後は難しいとしても、将来的には医療的ケア児の受け入れを増やし、安定的な経営につなげたいところです。

デメリット

医療的なケアを提供するにあたり看護職員の配置は必須なため、その分人件費がかかります。とはいえ、先ほど紹介したように基本報酬が大幅に上がることを考えると、看護職員の配置はそれほど大きなデメリットにはなりません。

ただし、利用者やその家族が安心して事業所に通えるよう、看護職員以外のスタッフもある程度の医療知識の保有や介助技術の向上が必要です。事業所内の教育体制をより一層充実させることが大切であり、その点は時間や労力がかかるでしょう。

まとめ

児童発達支援で医療的ケア児を受け入れられれば、基本報酬の大幅アップによる経営の安定が見込まれます。ただし、その分質の高い支援を提供できるような体制づくりが必要です。

開業や経営でお悩みの方は、児童発達支援に強い「日本で唯一の障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。

詳しくはこちら!

参考文献

児童発達支援ガイドライン|厚生労働省

令和3年度障がい福祉サービス等報酬改定について|厚生労働省

障がい児通所支援の現状等について|厚生労働省

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