児童発達支援の対象者は原則0〜6歳の障がい児であるため、保育士の知識やスキルが存分に活かせる障がい児通所サービスといえます。しかし、就職後のミスマッチを防ぐためには、就業側・採用側ともに児童発達支援での働き方についてよく理解しておくことが大切です。
そこで今回は児童発達支援で働く保育士の役割や仕事内容をはじめ、人員配置基準や平均年収について紹介します。
児童発達支援の保育士①役割や仕事内容
児童発達支援で働く保育士の役割は、基本的な保育のほかに心身の発達を促す療育にもあります。具体的な仕事内容は、主に次の5つです。
- 個別支援計画に基づいた支援
- 事業所内外の環境整備
- 保育所や医療機関などとの連携
- 支援内容の記録
- 送迎 など
保育士の資格を取得する時点で、乳幼児保育の基礎知識はある程度身についているでしょう。しかし、児童発達支援で接するのはさまざまな障がいを持った子どもたちです。保育士は基本的な保育のほか、障がい特性や個々に合った対応方法などについて理解を深める必要があります。
児童発達支援の保育士②資格
児童発達支援で保育士として働くためには、保育所と同様に保育所資格が必要です。資格は次の条件のうち、いずれかを満たす場合に交付されます。
- 都道府県知事の指定養成校や施設での課程修了と卒業
- 保育士試験の合格
なお、保育士試験の受験資格は最終学歴によって異なります。
高卒の場合 | 中卒の場合 | |
学校 | 保育系以外の大学や短期大学、専門学校
(いずれか2年以上) |
— |
実務経験 | 2年以上 | 5年以上 |
また、実務経験は児童発達支援だけでなく、保育所や認定こども園での経験もカウント可能です。
児童発達支援の保育士③人員配置
児童発達支援で働く保育士の人員配置基準は、児童指導員の人数と合算して考えます。具体的な人数や常勤要件は、下表のとおりです。
重症心身障がい児以外を通わせる場合 | 重症心身障がい児を通わせる場合 | |
人数 | ①障がい児が10人以下:2人以上
②障がい児が10人超: ①に加え5人または端数が増すごとに1人加えた人数 |
1人以上
|
常勤要件 | 1人以上は常勤 | 要件なし |
配置時間 | 営業時間を通じて配置 |
児童発達支援の保育士④平均年収
児童発達支援で働く保育士の平均年収は、常勤職員が約325万円、非常勤職員が約190万円となっています。人件費やシフトを考えると、必要人員のすべてを常勤職員にするのではなく、非常勤職員も上手に組み合わせたいところです。
なお、障がい児通所サービスで常勤保育士の平均年収を比較すると、医療型児童発達支援は約391万円、放課後等デイサービス(放デイ)は約272万円となっています。児童発達支援で働く保育士の年収は、障がい児通所サービスの中でも平均的な位置にあるといえるでしょう。
まとめ
児童発達支援で働く保育士は、基本的な保育のほかに療育に関する知識やスキルがあると即戦力として期待できます。人員配置や人件費でお悩みの方は、児童発達支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献