児童発達支援は未就学児を対象とする、障がい児通所サービスです。活動内容は多岐にわたりますが、その中でも中心的なものが療育になります。しかし、「療育とはどんなことをするのか」などの疑問を持つ方もいるでしょう。
そこで今回は児童発達支援の療育について、定義や種類のほか、具体的なプログラムの例を紹介します。
児童発達支援で行われる療育とは?
まずは児童発達支援で行われる療育とは何か、定義や種類を見ていきましょう。
療育の定義
療育とは、障害のある児童が自分らしく生活できるように今ある課題を解決し、将来的には自立と社会参加を促す支援のことです。児童発達支援のガイドラインには、次のような5領域を療育(発達支援)の要として位置づけています。
- 健康や生活
- 運動や感覚
- 認知や行動
- 言語やコミュニケーション
- 人間関係や社会性
一口に障がい児と言っても、障がいの種別や程度はもちろん、それぞれの性格や生活環境は異なります。児童発達支援の療育では利用者本人や周囲の環境を踏まえながら、個々に合った活動内容を提供し、利用者やその家族に寄り添いながら支援することが大切です。
療育の種類
療育にはいくつかの種類があり、その中でも代表的なものが次の3つになります。
療育の種類 | 目的 | 内容 |
応用行動分析
(ABA) |
問題行動を適切な行動に変化させる | 問題行動の法則を見極め、強化/弱化/消去のいずれかで行動を制御する |
箱庭療法 | 自分の心と向き合い、自己理解を促す | 箱の中のミニチュアを使って自己表現する |
TEACCH | 自閉症の特性を踏まえた多面的な支援を行う | 生活しやすいよう理解が容易なイラストを用いてやり取りする |
利用者が就学児以上になれば、SST(ソーシャルスキルトレーニング)や認知行動療法が療育として行われるケースも少なくありません。
療育を通じて見つけられた課題の解決法や言葉かけの仕方などは、保育所など他の生活場所との共有も大切です。利用者に合った療育を提供し続けるためには、児童発達支援のあとに利用するであろう放課後等デイサービス(放デイ)との情報共有も重要になってきます。
場所が変わっても利用者が安心して生活できるよう、児童発達支援の療育は事業所内で完結するのではなく、さまざまな関係機関との連携が求められるのです。
児童発達支援で行われる療育プログラムの例
児童発達支援では、次のような療育プログラムを実施する事業所が多くなっています。
- 身の回りの動作の練習(着替え、トイレなど)
- 運動遊び
- リトミック
- 料理教室
- 季節遊び など
心と頭、体をよく動かせるよう、バランスのよい療育プログラムを立案・提供していきましょう。利用者やその家族の満足度を高めるためには、理学療法士や作業療法士などの専門職を配置するのもひとつの方法です。
まとめ
児童発達支援の療育は利用者に合った内容を提供し、利用者のペースに合わせて進めることが大切です。専門職を配置すると、より専門性が高く充実した療育プログラムを提供できます。
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参考文献