行動障がいなどを有する利用者には、統一した関わりを通じてリラックスできる環境を提供することが大切です。関わり方を統一するためには、放課後等デイサービス(放デイ)と学校など関係機関との連携が重要になります。その際、算定できるのが「関連機関連携加算」です。
そこで今回は放デイの関連機関連携加算について、算定要件や報酬単価のほか、算定時の注意点を紹介します。
放課後等デイサービスの関連機関連携加算とは
関連機関連携加算は、(Ⅰ)と(Ⅱ)の2種類があります。それぞれの算定要件や報酬単価は、次のとおりです。
算定要件
関連機関連携加算(Ⅰ)の算定要件は、次の3つです。
- 保護者の同意を得た上で学校などと連携する
- 連携先と会議を開催し、記録を残す
- 会議内容を児童発達支援計画に反映、定期的に見直す
また、関連機関連携加算(Ⅱ)の算定要件は、次の3つになります。
- 保護者の同意を得た上で就学・就職先などと連携する
- 利用者の状況や支援内容の記録を連携先に渡す
- 連絡調整や相談援助などの記録を残す
いずれの加算も「保護者の同意」と「記録」は、算定する上で外せないポイントといえるでしょう。
報酬単価
関連機関連携加算の報酬単価は、(Ⅰ)(Ⅱ)ともに200単位/回です。ただし、(Ⅰ)は月に1回を限度に算定できるのに対し、(Ⅱ)は利用者1人につき1回のみとなっています。
たとえば、定員10名の放デイで関連機関連携加算(Ⅰ)をすべての利用者に適用する場合、次のように計算できます。
報酬単価×人数×地域単価(10円)
=200単位×10人×10円
=20,000円/月
放課後等デイサービスで関連機関連携加算を算定する際の注意点
放デイで関連機関連携加算を算定する際には、次の3つに注意しましょう。
- 会議を開催する際は関連機関の担当者が必ず出席する
- 記録には出席者や開催日時、連絡・会議の内容などを残す
- 他の放デイとの連携は加算の対象外になる
なお、令和3年度よりZoomなどのオンライン会議でも関係機関連携加算(Ⅰ)が算定できるようになりました。相談支援などをオンラインで行った場合にも、代替サービスを提供したとして基本報酬や加算を算定できます。算定の可否は収益にも関わるため、オンライン環境が整っていない事業所は早めに準備しておくことをおすすめします。
まとめ
放デイの関連機関連携加算は、学校や就職先との会議・連絡調整などで算定できます。加算の算定や経営でお悩みの方は、放課後等デイサービスに強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献