放課後等デイサービス(放デイ)の開業や運営では、多額の資金を必要とします。融資申請はできるものの、返済義務にプレッシャーを感じる事業者も少なくありません。そのような場合、積極的に活用したいのが補助金や助成金です。
そこで今回は補助金をピックアップし、交付条件などの概要や実際に受給できる補助金の例を紹介します。
放課後等デイサービスが利用できる補助金とは
おもに厚生労働省が交付する助成金に対し、補助金は国や地方自治体が交付するお金です。どちらも原則、返済義務はありませんが、交付の条件や流れが異なります。
ここでは、放デイが利用できる補助金の概要や交付の流れについて見ていきましょう。
概要
細かい交付条件は補助金によって異なりますが、どちらかというと助成金よりも申請書類やクリアしなければならない条件が多い傾向にあります。その分、助成金よりも種類が豊富で、かつ交付額も大きい点がメリットです。
また、通年通して申請できる助成金に対し、補助金は一定期間内に申請する必要があります。倍率も高く、申請すれば必ず受給できるわけではない点がデメリットです。
交付の流れ
補助金交付の基本的な流れは、次のとおりです。
- 経済産業省などのHPで放デイにマッチする補助金を探す
- 公募要領を確認し、申請書を提出する
- 採択事業者として選ばれたら、交付申請を進める
- 交付決定された内容を実施する
- 補助金を受給する
交付決定された内容に関連する領収書や証拠書類などは、実施内容が終了したあとも5年間保管する必要があります。場合によっては定期的に状況報告などが必要になるため、関連書類は紛失のないように注意しましょう。
放課後等デイサービスが利用できる補助金の例
放デイが利用できる補助金はさまざまありますが、その中でも代表的な2つを紹介します。
社会福祉施設等施設整備費補助金
こちらの補助金は、次のような施設整備が対象になります。
- 創設
- 増築
- 改築
- 大規模修繕 など
補助率は国が2分の1、都道府県・指定都市・中核市が4分の1、設置者が4分の1です。ただし、設置者の負担分は福祉医療機構から低利の融資を受けられます。
IT導入補助金
こちらの補助金は、パッケージソフトやクラウドサービスといったITツールの導入を支援するものです。放デイであれば、請求支援ソフトや支援記録ソフトなどが該当します。
補助率は2分の1であり、補助金額は30〜450万円です。導入するITツールの種類や数にもよって補助金の枠が異なるため、詳しく知りたい方は公式サイトをぜひご覧ください。
まとめ
放デイは開業や運営で多額の資金を必要とするため、交付条件を満たしているなら積極的に補助金を申請したいところです。とはいえ、交付申請には書類の準備など多くの時間と労力を必要とします。補助金の交付申請についてサポートを受けたい方は、放課後等デイサービスに強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献