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「放課後等デイサービス(放デイ)は儲かる」と聞いて、参入を検討している事業者もいるのではないでしょうか。しかし、開業にあたっては事業全体の現状や課題について把握し、制度変更などがあった際に臨機応変な対応ができるようにしておくことが大切です。

そこで今回は、開業者や事業者が把握しておきたい放デイの現状や将来性、課題について紹介します。

放課後等デイサービスの現状と将来性

放デイの事業所数・利用者数は、下表のようにここ数年で急増しています。

 

  事業所数 利用者数
平成29年度 11,288か所 170,844人
平成30年度 12,833か所 201,803人
令和元年度 14,046か所 226,610人

 

発達障がいの診断数や女性の就業率・共働き世帯の増加に伴い、今後も放デイに対する需要は高まり続けるでしょう。

放課後等デイサービスの現状を踏まえた3つの課題

事業所が増えると利用者の需要に応えられる反面、さまざまな課題が浮き彫りになります。ここでは、放デイの現状を踏まえた課題を3つ見ていきましょう。

放デイの報酬対象としてふさわしくない事業所がある

放デイの中には、下表のように支援内容に偏りがある事業所も少なくありません。

 

偏っている内容 具体的な運営状況
安全な預かり ・ゲームやDVD、おやつを与えるだけ

・ソファーに寝かせるだけ

学習塾的な支援 ・学校の宿題が中心

・同法人内の学習塾教材やプリントの提供

・進学率を売りにした集客方法

習い事的な支援 ・同法人内のフリースクールと同内容の支援

・プログラミングの技術指導

・絵画のみ、音楽のみ、サッカーのみなど

 

新たに放デイを開業する場合は他事業所との差別化を図りつつも、利用者の障がい特性に合った支援を提供できるように準備しましょう。

利用者の年齢によって保護者のニーズが変わる

厚生労働省によると、長時間預かってもらいたいという保護者のニーズは児童の年齢が上がるにつれて多くなっているとのこと。

 

利用者の年齢 長時間の預かりを希望する割合
7~9歳 26.5%
10~12歳 30.0%
13歳以上 34.1%

 

長時間の預かりを希望する理由は明らかにされていませんが、保護者の就労時間はもちろん、障がいの程度も影響しているのではないでしょうか。障がいの程度によっては年齢が上がっても留守番が難しく、放デイで放課後の時間を安全に過ごしてほしいと願う保護者も多いと推測されます。

対象者の範囲が限られている

放デイの対象者は、原則6〜18歳の就学児です。つまり、現行の制度では高校などに進学しなかった場合はサービスを受けられません。

条件によっては児童発達支援や生活介護を利用できますが、利用者の年齢に差があり、同年代の児童同士の交流は難しい現状にあります。児童に合った支援を途切れなく提供するために、対象者の範囲について議論されていく予定です。

まとめ

放デイは事業所数・利用者数が急増している現状がある中、運営体制が適切でなかったり、支援が必要な児童が放デイを利用できなかったりといった課題も浮き彫りになっています。今後、どのように制度が変わっていくか、開業者や事業者は注意深く見ていく必要があるでしょう。

開業や運営でお悩みの方は、放課後等デイサービスに強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。

 

参考文献

放課後等デイサービスに係る報酬・基準について≪論点等≫|厚生労働省

障がい児通所支援の現状等について|厚生労働省

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