放課後等デイサービス(放デイ)の収益は、9割が国保連、1割が利用者からの支払いで成り立っています。安定的な経営のためには、正確かつスピーディーな請求が必要です。
そこで今回は放デイにおける請求の流れを、国保連・利用者別に紹介します。
放課後等デイサービスにおける請求の流れ①国保連
国保連に請求する際の流れや注意点は、それぞれ次のとおりです。
請求の流れ
国保連への請求締切は、サービスを提供した月の翌月10日。それまでに対応する必要があるのは、次のような手続きです。
期限 | 上限管理事業所以外の場合 | 上限管理事業所の場合 | |
当月 | 末日 | サービス提供実績記録票を確認する | |
翌月 | 3日 | 利用者負担額一覧表を作成し、上限管理事業所へ提出する | →受け取り |
6日 | 受け取り← | 利用者負担上限額管理結果票を作成し、他事業所へ提出する | |
10日 | 請求データを国保連へ送信する | ||
翌々月 | 中旬 | 国保連から報酬が支払われる
代理受領通知書を発行し、保護者へ渡す |
なお、国保連に送る請求データは次の3つになります。
- サービス提供実績記録表
- 利用者負担上限額管理結果票
- 障がい児通所給付費/入所給付費等請求書・明細書
このように、国保連への請求にはさまざまな書類の準備が必要です。10日までに各事業所が国保連に請求できるよう、それぞれがスケジュールを厳守しながら、スピーディーかつ正確な事務処理が大切になってきます。
請求関連の書類における注意点
利用者負担上限額管理結果票は記載漏れや誤りがないか、しっかり確認しましょう。とくに、次のような項目は誤りが生じやすいため、入念にチェックすることをおすすめします。
- 利用者氏名
- 利用サービス
- 受給者番号
- 総利用額
- 利用者負担額
- 事業所番号
- 事業所の名称 など
放課後等デイサービスにおける請求の流れ②利用者
放デイの利用者は、6〜18歳の就学児です。そのため、請求はおのずと利用者の保護者が対象になります。具体的なスケジュールは、次のとおりです。
当月 | ~末日 | サービス提供実績記録票を確認する |
翌月 | ~10日 | 給付費や加算額・減算額を算出する |
11日~ | 保護者へ利用料を請求する
実績記録票や利用者負担上限管理結果票を発行し、保護者から捺印をもらった上で回収する |
|
翌々月 | 11日~ | 領収書を発行する |
なお、利用料の支払い方法は、事業所へ直接支払うケースが多い傾向にあります。ただし、最近では口座振替や集金代行サービスを利用している事業所も増えてきているようです。
まとめ
放デイの報酬や利用料の請求は、流れにそって正確かつ迅速な対応が必要になります。とはいえ、開業直後では慣れない手続きばかりで、非常に労力がかかるでしょう。請求や経営でお悩みの方は、放課後等デイサービスに強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献