児童指導員等加配加算は、令和3年度の報酬改定で(Ⅰ)(Ⅱ)という区分が廃止されました。かわりに、専門職員などの配置を評価する内容に変更され、報酬単価も見直されています。
そこで今回は児童指導員等加配加算の算定要件や報酬単価のほか、具体的な計算例を紹介します。
放課後等デイサービスの児童指導員等加配加算とは
児童指導員等加配加算の算定要件や報酬単価は、それぞれ次のとおりです。
算定要件
人員配置基準を満たした上で、次のいずれかの人員を常勤換算で1.0人以上配置した場合に算定できます。
区分 | 職種 |
専門職員 |
|
児童指導員等 |
|
その他の従業者 |
|
※:難聴児の早期支援に向けて、令和3年度の報酬改定で追加
加配要件が「常勤換算で1.0人以上」のため、非常勤の職員を複数配置しても要件を満たせます。たとえば、常勤の勤務時間が8時間/日の場合。4時間/日のパート職員を2人配置する(常勤換算0.5人×2)ことで、算定要件を満たせるのです。
報酬単価
児童指導員等加配加算の報酬単価は、利用定員の人数や重度心身障がい児を通わせるか否かによって異なります。具体的な報酬単価は、次のとおりです。なお、単位数は1日あたりの数字となっています。
【重度心身障がい児が通わない場合】
利用定員 | |||
10人以下 | 11~20人 | 21人以上 | |
専門職員 | 187単位 | 125単位 | 75単位 |
児童指導員等 | 123単位 | 82単位 | 49単位 |
その他の従業者 | 90単位 | 60単位 | 36単位 |
【重度心身障がい児が通う場合】
利用定員 | |||
5人 | 6人 | 7人 | |
専門職員 | 374単位 | 312単位 | 267単位 |
児童指導員等 | 247単位 | 206単位 | 176単位 |
その他の従業者 | 180単位 | 150単位 | 129単位 |
児童指導員等加配加算の計算例
次のような放デイ事業所の場合、児童指導員等加配加算の算定額はいくらになるか、実際に計算してみましょう。なお、地域単価は計算しやすいように10円としています。
- 利用定員10人以下
- 理学療法士を常勤換算で1.0人加配
- 月10回利用する児童の場合
単位数×利用日数×地域単価
=187単位×10日×10円
=18,700円/月
もし、同じような児童が10人いた場合、児童指導員等加配加算の算定総額は約20万円/月になる計算です。これだけでも、非常に大きな収益源になることがよくわかります。
まとめ
放デイの児童指導員等加配加算は、令和3年度の報酬改定により算定区分や報酬単価が見直されました。安定的な収益を確保するためには、積極的に加算を取得することが大切です。開業や経営でお悩みの方は、放課後等デイサービスに強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献