放課後等デイサービス(放デイ)の機能訓練担当指導員は、言語聴覚士も配置できます。しかし、開業者の中では「言語聴覚士とは、どんな職種なのか」「人件費はどれくらいかかるのか」など、疑問が多いのではないでしょうか。
そこで今回は放デイの言語聴覚士について、その役割や仕事内容をはじめ、人員配置や平均年収などを紹介します。
放課後等デイサービスの言語聴覚士①役割と仕事内容
言語聴覚士とは、「ことば」や「聴く」、「食べる」といった言語・摂食関連の発達をサポートする職種です。放デイでは、おもに上記の発達に関する障がいや課題に対して、遊びを通じた訓練を実施していきます。
ただし、放デイの対象児童は言語障がいを有する児童だけではありません。知的障がいや身体障がいなど、さまざまな障がいに対して支援していくため、病院などよりも幅広い仕事内容になります。
放課後等デイサービスの言語聴覚士②人員配置
放デイの言語聴覚士は、機能訓練担当指導員として配置されます。詳しい人員配置基準は、次のとおりです。
重度心身障がい児以外を通わせる場合 | 重度心身障がい児を通わせる場合 | |
人数 | 機能訓練を行う場合のみ配置 | 1人以上 |
常勤要件 | 要件なし | |
配置時間 | 機能訓練を行う時間帯のみ配置 |
また、機能訓練担当指導員は児童指導員や保育士の人員配置にも含められます。ただし、合計数の半数は児童指導員や保育士であることが要件のため、人数に含める際は注意しましょう。
放課後等デイサービスの言語聴覚士③平均年収
厚生労働省のデータでは、放デイにおける言語聴覚士単体での給与は明かされていません。ただし、機能訓練担当指導員としては常勤が約265万円、非常勤が約254万円となっています。
ちなみに、聴能訓練担当職員・言語機能訓練担当職員として配置できる児童発達支援では、非常勤の平均年収が約418万円です。事業所側の視点で考えると、言語聴覚士の人件費は放デイよりも児童発達支援のほうがかかることがわかります。
しかし、言語聴覚士のような専門職を配置すれば、支援の質が向上し、利用満足度の大幅なアップも大いに期待できるでしょう。そのため、常勤と非常勤を上手く組み合わせて人件費を調整しつつ、満足度の向上による利用継続や集客につなげていきたいところです。
まとめ
放デイの言語聴覚士は、言語や摂食に関する支援を専門とする職種です。機能訓練担当指導員として配置することで、支援の質が向上し、結果的に事業所の高評価にもつながるでしょう。開業や運営でお悩みの方は、放課後等デイサービスに強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献